幼稚園児に対して心肺蘇生を速やかに行なわなかったことによる後遺障害について

報道によると、誤嚥で心肺停止になった幼稚園児に速やかに心肺蘇生措置を取らなかったことにより後遺障害が残ったとして提訴された損害賠償訴訟について、13日にさいたま地裁で第1回期日が開かれたとのことです。

保育士や幼稚園の教諭が速やかに適切な心肺蘇生措置を取らなかったことで賠償責任が認められる事例はあまりないようです。

東京地裁平成16年6月22日判決は、嘔吐物誤嚥を起こした幼児について保育士が気道内の異物を除去しないまま人工呼吸をしたという事案について、医学的には適切な方法とはいえないとしても幼稚園の教諭に気道内の異物を除去した上での人工呼吸を義務付けることはできないとして、損害賠償を認めませんでした。

横浜地裁川崎支部平成26年3月4日判決は、幼児が心肺停止後保育士が人工呼吸や心臓マッサージをしたものの、これを継続せず、自動車で1、2分の距離にある消防出張所に自動車で幼児を運んだという事案について、119番通報により救急隊員らが到着するまでの間継続的に心肺蘇生措置をとることが最善であった可能性は否定できないものの、救護義務違反があったとまではいえないとしました。

これらの事例は一応心肺蘇生措置をとったものの、完全なものではなかった事例と見ることができます。

もし、今回提訴された件について、幼稚園教諭が全く心肺蘇生措置を取らなかったとすれば、上記裁判例の事例に比べ落ち度が大きいといわなくてはならず、損害賠償責任が認められる余地は大きいように思います。

また、未だにこのような事例が発生しているのは残念であり、幼稚園や保育園での心肺蘇生法について徹底した周知が行われるべきでしょう。

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