焼肉酒家えびすの生肉集団食中毒事件の東京高裁判決について

報道によると、焼肉酒家えびすの生肉集団食中毒事件の遺族らが運営会社フーズ・フォーラスの元社長らに損害賠償を求めた訴訟で、東京高裁は、重過失が認められないとして損害賠償を認めなかったとのことです。

報道では、生肉の表面を削り取るトリミングについて、当時はすべきことが十分に周知されていなかったことが判決の理由となったようです。

さて、そもそもフーズ社には賠償責任が認められており、今回の判決では元社長らの個人責任が問題となったようです。

フーズ社は特別清算中とのことであり、会社から十分な回収ができないため、個人責任にこだわっているのではないかと推測します。

そして、会社法429条1項は、「役員等がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該役員等は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う」と定めています。東京高裁で、ご遺族は、この規定をもとに請求をし、そして重過失までは認められなかったがために請求が認められなかったのではないかと思います。

生肉の危険性自体は常識的な知見として周知されていたと思われ、そうであればその危険を除去する方法について焼肉店経営者としては高度の知見を有するべきではなかったかと考えます。そのような意味で重過失を認めなかった今回の判決については批判の余地がありうるように思います。

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