婚姻費用について

離婚問題

離婚前に夫婦が別居するような場合、一方が他方に婚姻費用と呼ばれる生活費を請求できることがあります。

この生活費は、裁判所の作っている養育費・婚姻費用算定表に従い算定されることが多いです。

日本弁護士連合会も同様の算定表を作っていますが、参考にされることはほぼありません。

以下、婚姻費用請求について注意すべき点を述べます。

1 請求の手続

交渉により婚姻費用を取り決めることは可能です。

一旦書面などで明確に婚姻費用を取り決めた以上、それに従い婚姻費用を支払う義務が発生します。

交渉で取り決めることができない場合、婚姻費用を請求する調停を家庭裁判所に申し立てることになります。

この家庭裁判所は相手方居住地の家庭裁判所です。

調停で話し合いがまとまらない場合には調停は不調となり、審判手続きに移行します。

審判手続きでは、裁判官が双方の主張を踏まえ婚姻費用を定めることになります。

なお、婚姻費用は、調停申立てなどの請求行為があった月分以降の分が認められることが多いです。

2 住宅ローンの処理

よく問題になるのが住宅ローンです。

住宅ローンを払っている配偶者がその家を出て、別途アパートを借りるような場合、その配偶者は住居費を二重払いすることになります。

そのような場合、標準的な住居費の範囲内で婚姻費用が減額されることがありえます。

しかし、二重払いの事情がない場合、住宅ローンの支払いは婚姻費用には影響しません。

これは住宅ローンは資産形成に資するものであること、住宅ローンより婚姻費用の支払いが優先することが理由とされます。

なお、その他の借金についても基本的には婚姻費用額には影響しません。

3 夫婦共有財産の持ち出し

一方配偶者が他方配偶者の預貯金を持ち出したような場合、他方配偶者がその預貯金を生活費にあてるべきであり、婚姻費用の支払いは認められないという主張をすることがあります。

しかし、裁判所は、そのような場合でも、持ち出し預貯金を度外視して婚姻費用を決める傾向にあります。

これは持ち出し預貯金の問題は財産分与の問題として処理すれば足りるという考えからです。

 

婚姻費用の請求をうまくするかどうかは、離婚条件を充実したものとするかどうかを決定的に左右することになります。

婚姻費用や離婚の問題でお悩みの方は弁護士齋藤裕(新潟県弁護士会所属)にご相談ください。

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