後遺障害等級3級の場合の慰謝料(交通事故)

交通事故

交通事故で後遺障害等級3級に認定された場合、後遺障害にかかる慰謝料は赤本では1990万円とされています。

しかし、諸般の事情から、これを上回る慰謝料が認められることもあります。

例えば、東京地裁平成18年3月29日判決は、併合3級の後遺障害のある事案について2200万円の慰謝料を認めています。

同判決はその理由について、「前記認定にかかる原告の重い高次脳機能障害の内容,程度のほか,眼の障害や日常生活に影響が大きいそしゃく障害,さらに症状固定時32歳の女性である原告が外貌に著しい醜状を残したことによる精神的苦痛を考慮すれば,後遺障害慰謝料としては上記金額が相当である。」と述べています。

判決の述べる現在の症状は以下のとおりです。

「現在においても,歩いているとふらつく,長い時間立っていることができない状態があるほか,記憶力が低下し注意力が散漫になった,行動が緩慢で何をするにも時間がかかる,コミュニケーションを取るのが難しいなどの状態がみられ,普段は外出せず,ほとんど横になっている。通院の際には,途中で横にならなければならず,帰宅後は疲れて寝てしまう(甲27)。さらに,原告は,意見の違いがあるときには,いらだって,Fに対して暴力を振るうことがある。忘れっぽくなっているため,これまでにも,やかんを火にかけたままにして忘れたことがある。平衡機能障害のため立ち仕事ができず,家事はほとんどできない状態である上,物が二重に見えたり,見える範囲が狭いので,家の中でも危ないと思うことがある状態である(証人F)。
他方,食事,トイレ,更衣,洗面は自立しており,お金を持たせてもすぐには使わない,他人との話は通じる,などの面においては支障は見られない(甲8)。原告は,病院へは,Fが付きそうこともあるが,1人で行くこともあり,美容院にも1人で行くことができる。現在は,松葉杖や車椅子は使用していない(証人F)。
また,そしゃく状況報告書(甲10)によれば,原告には,いか,たくあん,こんにゃく,ピーナッツなど食べられない物があり,全部軟らかくして,小さくきざみ,よく煮ないと食べられない,前歯が使えないからかみ切れない,奥歯のみで食事をしているという状態である。」

このように、後遺障害の生活面に与える影響が大きいこと、被害者の年齢が若かったことが2200万円という慰謝料に結びついたと考えられます。

場合によっては、単に後遺障害等級が3級というだけではなく、その生活への支障を具体的に主張立証する必要があるのです。

 

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