後遺障害6級の場合の慰謝料(交通事故)

交通事故

1 後遺障害6級の場合の慰謝料

民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準 上巻 2019(いわゆる赤本)によると、後遺障害等級6級の場合の慰謝料の目安は1180万円とされています。

しかし、実際には、これを上回る慰謝料額が認められることもあります。

例えば,仙台地裁平成20年3月26日判決は、以下のとおり述べて、慰謝料1400万円を認めています。

「後遺障害慰謝料 認容額・1300万円
前記認定のとおり,本件事故により原告X1に残った後遺障害は,併合して自賠責等級6級に定める後遺障害に相当する程度である。
しかし,原告X1は,前記認定のとおりの状況で,市民センターでの勤務を続け,日常生活を送ることはできているが,それまでの温厚で,意欲的に仕事に取り組む人柄から著しい人格の変化を強いられた。そのために,本格的な再就職,長らく単身赴任のため別居していた家族との円満な同居生活,趣味など,勤務先を退職したときに考えていた希望のほとんどすべてをかなえることができなくなったのであり,その後遺障害の程度だけでなく内容も含めて検討すると,その被った精神的苦痛を慰謝するための慰謝料は前記金額とみるのが相当である。」
「近親者固有の慰謝料 認容額・100万円
原告X2は,長らく単身赴任のため別居していた原告X1との円満な同居生活を楽しもうとした矢先,本件事故により,生活が一変し,温厚だったはずの原告X1から,それまで振るわれたことのない暴力を振るわれたり,暴言を言われながら,人格の変化を強いられた原告X1との生活を余儀なくされている。このことに,原告X1が本件事故により負った傷害,残った後遺障害の程度,生活の状況,原告らの年齢,原告X2のこれまでの苦労,負担,将来に対する不安感などを併せて考慮すると,原告X2が多大な精神的苦痛を被っていることは容易に想像できる。この苦痛は原告X1の生命が害された場合にも比肩できるといえる。原告X2は,民法709条,710条に基づいて,自分の権利としてこの精神的苦痛を慰謝するための慰謝料を請求できると解する。そして,その慰謝料は100万円とみるのが相当である(横浜地裁平成6年6月6日判決・交通事故民事裁判例集27巻3号744ページ参照)。」

慰謝料は被害者本人分と親族分に分かれます。

被害者本人分については、仕事上家庭生活上の悪影響が理由として高額の慰謝料が認められていることが分かります。

親族分については、被害者の人格変容による暴力が慰謝料の理由とされています。

このように、後遺障害自体のみではなく、それが仕事や家庭にもたらす影響をきちんと指摘することで、適切な慰謝料が認定されることもあるのです。

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