後遺障害9級の慰謝料(交通事故)

交通事故

民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準(いわゆる赤本)上巻(基準編)2019によると、後遺障害9級の場合の慰謝料は690万円が目安とされています。

しかし、事情により、これを超える慰謝料が認められることもあります。

例えば、名古屋地裁平成18年12月13日判決は、「後遺障害等級9級相当であることその他本件にあらわれた諸事情を考慮すると,上記金額が相当である。」として750万円の慰謝料を認定しています。

ここで「諸事情」とは何を指すのかは不明です。

後遺障害自体については、以下のとおり認定されています。

「a 右股関節の可動域制限
右股関節脱臼骨折後の右股関節の可動域制限につき,右股関節の可動域制限画像上,術後の骨ゆ合は得られているものの,関節内変形が認め

られ,その可動域が健側の4分の3以下に制限されているから,第12級7号に該当する。
b 右膝関節の可動域制限
右下腿骨開放骨折後の右膝関節の可動域制限につき,画像上,拘縮と認められ,その可動域が健側の4分の3以下に制限されているから,第

12級7号に該当する。
c 右足関節の可動域制限
右足関節両果骨折後の右足関節の可動域制限につき,画像上,右足関節変形ゆ合が認められ,その可動域が健側の4分の3以下に制限されて

いるから,第12級7号に該当する。
d 上記aないしcにつき,併合の方法を準用して,後遺障害等級10級相当となる。なお,右股・膝・足関節の疼痛,右下腿のしびれ,知覚鈍

麻については,上記等級に含まれると解する。
e 右足関節の変形
画像上,脛骨に20度以上の回旋した不正ゆ合が認められるから,長管骨に奇形を残すものとして,後遺障害等級12級8号に該当する。
f 右下肢の短縮障害
右股関節脱臼骨折後の右下肢の短縮傷害については,1センチメートル以上の短縮が認められるから,1下肢を1センチメートル以上短縮

したものとして,後遺障害等級13級9号に該当する。
g 右下肢の醜状痕・植皮術後瘢痕
右大腿から足関節までの下肢の露出面に手のひらの大きさの3倍程度以上に達すると考えられるから,後遺障害等級12級相当である。
h 右背部及び臀部の線状痕
右背部及び臀部の全面積の4分の1以上の範囲に瘢痕を残すものには達しないので,後遺障害等級に該当するとはいえない。
i 上記dないしhにつき,併合9級とする。」

これらの障害の結果、かなり歩行が困難となったと認定されています。

また、事故態様について、加害者の主張に信用性がないとされているという面もあります。

これらの障害の程度、生活への影響、事故態様について信用性のない主張をしたことが慰謝料額に反映した可能性はあります。

このように、後遺障害についての慰謝料に関しては、適切に障害の影響などについて主張立証することが必要なのです。

交通事故でお悩みの方は、弁護士齋藤裕(新潟県弁護士会所属)にお気軽にご相談ください。

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