相続法改正 その5 被相続人のために貢献した人に対する給付

さいとうゆたか弁護士

1 はじめに

相続法改正では、被相続人のために貢献した人に金銭を給付する制度が新設されました。

従来も特別縁故者制度があり、被相続人の療養看護につとめた人に相続財産の全部または一部を交付する制度がありました。

しかし、この制度は、相続人がいないことを要件とする制度です。

相続人が存在する場合には、被相続人のために尽くした人がいたとしても、給付を受けることはできませんでした。

しかし、新制度は、他に相続人がいても給付請求ができるという点で大きな違いがあります。

 

2 特別寄与制度の要件

改正後民法1050条は、以下のとおり定めます。

「被相続人に対して無償で療養看護その他の労務の提供をしたことにより被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした被相続人の親族(・・・以下この条において「特別寄与

者」という)は、相続の開始後、相続人に対し、特別寄与者の寄与に応じた額の金銭(以下この条において「特別寄与料」という。)の支払を請求することができる」

まず、特別寄与者は、被相続人の親族でなければなりません。

親族とは、6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族のことを指します。

相続放棄をした親族、相続の欠格事由にあたる親族は特別寄与者となることはできません。

ですから、内縁の配偶者、近所の人や友人は特別寄与者となることはできません。

また、「被相続人の財産の維持又は増加」についての特別の寄与が必要です。

被相続人のために貢献しても、「被相続人の財産の維持又は増加」につながらなければ請求はできないことになります。

ここでの貢献は「療養看護その他の労務の提供」に限定されています。

ですから、お金を払ってきたというだけでは特別の寄与があったとはされないことになります。

 

3 特別寄与料請求の方法

特別寄与者は、相続人に対し特別寄与料の請求をすることになります。

特別縁故者制度では家庭裁判所に請求がなされるものとされていました。

特別寄与料を認めるかどうか、認めるとしていくらとするかは、相続人と特別寄与者との間の協議で決めるのが第一です。

協議がまとまらないなどの場合、特別寄与者は、家庭裁判所に、協議にかわる処分を請求することができます。

家庭裁判所は、寄与の時期、方法・程度、相続財産等の要素を考慮し、特別寄与料の額を定め、支払いを命ずることになります。

 

相続についてお悩みの方は、弁護士齋藤裕(新潟県弁護士会所属)にお気軽にご相談ください。

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