被害者参加に関連する費用の賠償(交通事故)

交通事故

近時、特に重大な被害をもたらした交通事故を中心に、被害者参加をする被害者や遺族が増えています。

被害者参加をするためには、旅費などとして一定の費用が発生する可能性があります(被害者参加人として心情等の意見陳述を行った場合には旅費や日当が法テラスから支払われる可能性がありますが、それで賄われないものが発生する可能性があります)。

しかし、裁判所は、基本的には、民事裁判において、それらの費用について交通事故と因果関係のある損害としては見ない傾向にあります。

例えば、東京地裁立川支部平成30年10月30日判決は、以下のとおり、被害者参加をするかどうかは被害者の意思で決めるものであるため、被害者参加に関連する費用は交通事故と因果関係を有しないとしました。

原告らは,被告に対する刑事裁判期日での意見陳述・傍聴のため,検察庁及び裁判所に出向いたこと,その交通費・宿泊費として40万1760円を支出したことが認められる。
しかし,被告の刑事裁判に被害者参加を行うことは,当該被害者の意思決定ないし意向により決するものであって,交通事故から通常生じるものであるとはいい難いから,上記費用を,本件事故と相当因果間関係のある損害と認めるには足りない。

他方、横浜地裁平成25年5月27日判決は、以下のとおり述べて、刑事事件の公判期日の傍聴のための費用を賠償の対象としています。

本件事故が死亡事故でありしかもひき逃げ事案であることを考慮すると,被告らに対する損害賠償請求の準備として被告Y1の公判期日を傍聴することも相当であると認められる。傍聴の回数は1回であり,そのための交通費の額も4万7200円であることに照らすと,上記交通費の支出と本件事故との間に相当因果関係があると認めるのが相当である。したがって,上記①及び②の合計10万6600円につき,本件事故による損害と認める。

同判決は、ⅰ 事件が重大性でひき逃げ事件でもあること(事実関係をきちんと認めない可能性がある)、ⅱ 傍聴の回数が1回であり、金額も大きくないことを理由として、傍聴のための費用を賠償の対象としていると考えられます。

このように、基本的には被害者参加のための費用の賠償は難しいのですが、例外的に認められる場合もあるので、注意が必要です。

なお、被害者参加について弁護士費用が発生することもありますが、当事務所では重大な交通事故に関しては無償で被害者参加の援助をすることもできますので、お気軽にご相談ください。

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