婚姻関係破綻にならなかったものの不貞で慰謝料500万円が認められた事例

離婚問題

不貞による慰謝料額は、不貞相手については、不貞により離婚となったとしても、200万円程度が限度というのが実情かと思います(配偶者についてはより高額な慰謝料が認められる可能性があります)。

しかし、これはあくまで相場でしかなく、不貞相手について、しかも離婚や婚姻関係破綻に至らなくても、200万円を大きく上回る慰謝料が認められることもあります。

例えば、東京地裁平成19年7月27日判決は、以下のとおり述べて、離婚や婚姻関係破綻に至っていない事案において、不貞相手について、500万円の慰謝料を認めています。

「被告が,Aに原告という妻がいることを知りながら,Aと肉体関係を持つに至り,昭和60年ころ以降,Aが死亡するまでの約20年間もの長期間にわたり,Aが毎日被告宅に通うようなかたちでAとの関係を継続し,その間に被告はAが認知した2人の子ももうけていること,被告の住居は原告の自宅と同じ町内ないしは近隣であったこと,そうしたことから原告は愛人や隠し子がいるなどといった風評にも悩まされたとうかがわれること(甲14)などからすれば,原告は,多大な精神的苦痛を被ってきたものと認めることができる。」
「一方,A死亡に至るまで同人と原告との婚姻生活が破綻に至ったとは認められず,Aとの信頼関係を強調する原告の主張・供述(甲14,原告本人)からしても原告は,Aのことは宥恕しているものと解される。」
「こうした諸事情も含め,本件に現れた全事情を総合考慮し,さらに,本訴提起よりも前に原告が被告に対して本件に係る慰謝料請求をしたと認めるに足りる証拠はないので,原告の被告に対する慰謝料請求権のうち,本訴提起の日である平成18年8月11日から20年前である昭和61年8月11日より前の分は除斥期間の経過によりもはや行使し得ないものと解されることからすると,結局,原告に認容すべき慰謝料額としては,500万円が相当である。」

 

このように、不貞期間が20年という長期にわたること、2人の隠し子がいることが重要な要素とされ、500万円の慰謝料が認められています。

なお、20年より前の分は除斥期間として慰謝料額に反映していないことには留意すべきでしょう。

かなり長期間の不貞のケース、隠し子がいるようなケースでは、相場より高めの慰謝料が認められることがあることに注意が必要です。

 

不貞や離婚でお悩みの方は、弁護士齋藤裕(新潟県弁護士会所属)にお気軽にご相談ください。

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