楽天への公正取引委員会の立ち入り調査

さいとうゆたか弁護士

報道によると、公正取引委員会が楽天に立ち入り調査に入ったとのことです。

これは送料無料化に関連してのものと思われます。

2020年2月7日付楽天のプレスリリースは以下のとおり述べています。

「この度、楽天株式会社(本社:東京都世田谷区、代表取締役会長兼社長:三木谷浩史)は、公正取引委員会より、当社サービス「楽天市場」における「共通の送料無料ライン施策」(以下「本施策」)に関し、調査を開始した旨の連絡を正式に受領しましたのでお知らせします。公正取引委員会からは、当該調査に対する任意での協力を要請されており、関係法条として独占禁止法第19条(同法第2条第9項第5号)を提示されています。」

ですから、今回の立ち入り調査も、独占禁止法19条、同法2条第9項第5号に関連したものと思われます。

独占禁止法19条、2条9項5号は以下のとおり規定しています。

第十九条
事業者は、不公正な取引方法を用いてはならない。

2条9項5号

(9)この法律において「不公正な取引方法」とは、次の各号のいずれかに該当する行為をいう。
五 自己の取引上の地位が相手方に優越していることを利用して、正常な商慣習に照らして不当に、次のいずれかに該当する行為をすること。
イ 継続して取引する相手方(新たに継続して取引しようとする相手方を含む。ロにおいて同じ。)に対して、当該取引に係る商品又は役務以外の商品又は役務を購入させること。
ロ 継続して取引する相手方に対して、自己のために金銭、役務その他の経済上の利益を提供させること。
ハ 取引の相手方からの取引に係る商品の受領を拒み、取引の相手方から取引に係る商品を受領した後当該商品を当該取引の相手方に引き取らせ、取引の相手方に対して取引の対価の支払を遅らせ、若しくはその額を減じ、その他取引の相手方に不利益となるように取引の条件を設定し、若しくは変更し、又は取引を実施すること。

楽天の送料無料化は、楽天市場参加事業者に送料負担を強いると評価されうるものですから、「不利益となるように取引の条件を設定し、若しくは変更し、又は取引を実施すること」に該当する可能性があると思われます。

楽天市場参加者が楽天市場での売り上げにかなり依存しているようであれば「優越していることを利用して」に該当しやすいでしょうし、ECサイトで事業者が一律に送料を負担することが多くはないということであれば「正常な商慣習に照らして不当に」にの要件を満たすでしょう。

いずれにしても、今後、公正取引委員会が実態を調査し、実態に即した処分をすることが求められます。

 

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