新型コロナウイルス法律相談 その2 内定取り消し

労災、解雇問題

1 新型コロナと内定取り消し

新型コロナウイルスにより不況となった業種を中心に内定取り消しが多くなっているようです。

しかし、内定取り消しは好き勝手にできるものではありません。

以下、裁判例から考えていきます。

2 最高裁昭和55年5月30日判決(電電公社近畿電通局事件判決)

最高裁判決は以下のとおりの判断を示しました。

「以上の事実関係によれば、被上告人から上告人に交付された本件採用通知には、採用の日、配置先、採用職種及び身分を具体的に明示しており、右採用通知のほかには労働契約締結のための特段の意思表示をすることが予定されていなかつたと解することができるから、上告人が被上告人からの社員公募に応募したのは、労働契約の申込みであり、これに対する被上告人からの右採用通知は、右申込みに対する承諾であつて、これにより、上告人と被上告人との間に、いわゆる採用内定の一態様として、労働契約の効力発生の始期を右採用通知に明示された昭和四五年四月一日とする労働契約が成立したと解するのが相当である。もつとも、前記の事実関係によれば、被上告人は上告人に対し辞令書を交付することを予定していたが、辞令書の交付はその段階で採用を決定する手続ではなく、見習社員としての身分を付与したことを明確にするにとどまるものと解すべきである。そして、右労働契約においては、上告人が再度の健康診断で異常があつた場合又は誓約書等を所定の期日までに提出しない場合には採用を取り消しうるものとしているが、被上告人による解約権の留保は右の場合に限られるものではなく、被上告人において採用内定当時知ることができず、また知ることが期待できないような事実であつて、これを理由として採用内定を取り消すことが解約権留保の趣旨、目的に照らして客観的に合理的と認められ社会通念上相当として是認することができる場合をも含むと解するのが相当であり、本件採用取消の通知は、右解約権に基づく解約申入れとみるべきである。したがつて、採用内定を取り消すについては、労働契約が効力を発生した後に適用されるべき日本電信電話公社法三一条、日本電信電話公社職員就業規則五五条、日本電信電話公社準職員就業規則五八条の規定が適用されるものでないことも明らかである。」

このように、採用内定により労働契約は成立し、「解約権留保の趣旨、目的に照らして客観的に合理的と認められ社会通念上相当として是認することができる場合」でなければ解約はできません。

新型コロナウイルスによる採用内定取り消しについては、整理解雇に準じ、必要性、回避努力、人選の合理性、説明の十分生があるかどうかで解約の有効無効が判断されます。

例えば、他部署への配置により内定取り消しを回避できるような場合には解約が無効とされる可能性もあります。

解約が無効である可能性がある場合には弁護士による交渉や労働審判などで解決をはかることになります。

3 新潟で労働問題は弁護士齋藤裕へ

新型コロナと解雇についての記事もご参照ください。

新型コロナウイルス関連の法律問題、労働問題でお悩みの方は、弁護士齋藤裕(新潟県弁護士会所属)にお気軽にご相談ください。

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