東京ディズニーランド出演者の休業手当要求について(新型コロナウイルス関連)

さいとうゆたか弁護士

報道によると、東京ディズニーランド出演者の労働組合が、臨時休園中の休業手当を払うよう、オリエンタルランドに要求したとのことです。

会社としては6割の休業手当は払うとしているようであり、問題は100パーセントの給与補償をするかどうかです。

6割の休業手当は、不可抗力などでもない限り支払い義務が生ずるものであり、これが発生しないというケースは多くないと思われます。

さらに100パーセントの給与補償がなされるかどうかは、民法536条2項により判断されます。

この点、民法536条2項は、以下のとおり定めます。

「債権者の責めに帰すべき事由によって債務を履行することができなくなったときは、債務者は、反対給付を受ける権利を失わない」

これを労働契約に即して言うと、使用者に責任がある理由で従業員が勤務できなくなったとき、従業員は給料を失わないということになります。

よって、東京ディズニーランドの件について言うと、臨時休園について使用者に責任があるといえるかどうかということになります。

この点、令和2年2月25日の新型コロナウイルス感染症対策本部決定「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」は、「イベント等の開催について、現時点で全国一律の自粛要請を行うものではないが、専門家会議からの見解も踏まえ、地域や企業に対して、イベント等を主催する際には、感染拡大防止の観点から、感染の広がり、会場の状況等を踏まえ、開催の必要性を改めて検討するよう要請する」としています。そして、東京ディズニーランドサイドとしては、新型コロナウイルス感染症対策本部の要請を受けて休園したということです。

東京ディズニーランド側が要請を踏まえ休園したことは、東京や千葉での感染者が明らかになっていたこと、東京ディズニーランドは世界各国や全国から客が来ること、かなり混雑する状況もありうることなどを踏まえると、責めに帰すべき事由があるとまでは言えない可能性、つまり法的には100パーセントの給料債権が認められない可能性もあります。

ただし、ある程度の間引きを行うことで、特定のアトラクションについて実施する可能性がないのかどうか、細かい検討も必要となってくると思われます。

もちろん、労働組合との交渉の中で、使用者が法的な権利を超えた部分を支給するとの決定をすることもありえますし、上記のような微妙な部分もないわけではありません。オリエンタルランド側には、東京ディズニーランドを盛り立ててきた出演者の生活に配慮した判断を期待したいと思います。

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