新型コロナが流行していても面会交流はさせないといけない? 新型コロナ法律相談 その18

1 新型コロナと面会交流

新型コロナは中々収束の兆しが見えません。

このような状況で、調停などで取り決められた面会交流を避けたいという声が多く聞こえてきます。

調停などで面会交流が取り決められていない段階では柔軟に面会を延期などすることは可能でしょうが、取り決められた後で面会交流を拒否することができるのか、以下検討します。

2 裁判例からの検討

京都家裁平成26年2月4日決定は、以下のとおり、感染症に罹患すると重篤な結果を招く危険性がある児童との面会交流について、判断を示しています。

非監護親は月2回、1回は宿泊付きの面会を求めていました。この要求の背景には、いつでも面会できるとの合意があったようです。

監護親は3ケ月に1回、日帰りとの条件を求めました。

結果として、裁判所は、以下のとおり、児童の地元で面会すべき、月1回日帰りに面会をとどめるべきとの判断を示しました。

「未成年者の年齢は未だ3歳11か月であるから,相手方と未成年者との円滑な情緒的交流を確保するためには,少なくとも1か月に1回程度の面会交流を実施することが望ましいといえるが,未成年者は,○○に居住して平日は保育園に通園しているうえ,2歳のころに心室中隔欠損症の手術を受けていることから,一般の同年代の子と比較して細菌等に対する免疫力が弱く,また一度感染症に罹患すれば重篤な結果を招く危険性が高いと推認されることからすれば,1か月に1度日帰りの面会以上の頻度の面会交流を認めることは未成年者の負担過重になる可能性が高く相当ではない。そして,未成年者の身体に配慮し,相手方と未成年者との面会交流について,当初の2回に限り,○○内で行う旨を定めるのが相当である。」

また、大阪高裁令和3年8月2日決定は、蔓延防止等重点措置・緊急事態宣言が出されコロナ感染の拡大が懸念される状況において監護親が直接交流ではなくビデオ通話による交流とすることを求めたのに非監護親が直接交流にこだわり、結局交流が実施されなかった等の事情において、間接強制を求めることは権利の濫用にあたり許されないとしました。

このように、コロナ感染が強く懸念される状況においては、審判において面会頻度等が少なくされる可能性、間接強制が認められない可能性もあります。

ただし、2020年6月8日、当職が受任している事件で、面会交流についての間接強制の決定が出ました。決定では新型コロナの関係にも触れられていますが、緊急事態宣言が解除されたことから面会を強制することも問題ないという内容です。子どもに持病がある、緊急事態宣言が出されているなどの事情がない場合においては、新型コロナが収束していないという理由だけで直接交流を拒否することは難しいということになるでしょう。

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