業務委託と労働者性(スーパーホテル)

さいとうゆたか弁護士

1 スーパーホテルをめぐる訴訟と業務委託

報道によると、スーパーホテルの元支配人らが、割増賃金などの請求をする訴訟を起こしたということです。

その訴訟の中では、業務委託による支配人が労働者として割増賃金等の請求をできる立場にあるかどうかが争われそうです。

業務委託契約にすれば会社は労働基準法等による規制を受けないことになります。

そのため、これまでも実質は労働契約なのに業務委託契約という形式をとった事例が多くあり、裁判でも労働者性が争われてきました。

2 業務委託と労働者性についての裁判例の検討

例えば、モデルの専属契約に関する東京地裁平成25年3月8日判決は、以下のとおり述べて、モデルの労働者性を肯定しています。

「本件専属芸術家契約に基づき,原告は,一定の種類の業務を受けたくない旨の希望を述べることはできるし,通知された業務について,数回程度,担当することを断ったことはあるものの,それ以外の業務は断ることなく担当し,当該業務に携わってきたし,出演料等は被告らに対して支払われるものである一方,原告が出演料等を受領したことはないというのである。」
「これらの事情に加え,報酬の決定権限は専ら被告J社にあり,本件業務に関連して製(ママ)作された著作物等の権利及び芸名に関する権利はすべて被告J社に帰属する上,原告が被告J社を介することなく芸能活動を行うことについて厳しい制約を受ける旨の本件専属芸術家契約の規定内容に照らせば,原告の被告J社に対する経済的従属性は極めて強いというべきことを併せ考慮すれば,本件専属芸術家契約は,労働契約であり,被告J社及び契約上の地位を承継した被告L社は,労働基準法10条に定める使用者であり,原告は,同法9条に定める労働者であると認めるのが相当である。」

このように、仕事を依頼され断ることができるかどうか、報酬の決定権限が誰にあるか、会社から厳しい制約があるかどうかなどの要素により労働者性が判断されています。

その他の裁判例においては、出勤の日時場所が拘束されているか、業務の内容や仕方について指示を受けるかどうかなどが考慮されています。

スーパーホテルの事例においても、これらの要素が考慮され、労働者性が判断されていくものと思われます。

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