失業中の被害者の逸失利益(交通事故)

交通事故

1 交通事故の逸失利益

交通事故で後遺障害が残った場合、一定程度労働能力が喪失したとして逸失利益が認められることがあります。
その際には、被害者の収入が基準となります。
それでは、収入がない失業中の人についてはどう考えたらよいのでしょうか?

2 失業者の逸失利益

失業をしている被害者については、事故時において労働能力と労働意欲があった場合、失業以前の収入か、賃金センサス登載の平均賃金を基準とした逸失利益が認められることになります。

京都地裁平成29年10月24日判決は、以下のとおり述べて、永続的に就労の蓋然性がないと言えない以上逸失利益は認められるとして、失業中の被害者について、賃金センサスによる平均賃金の7割を基準とする逸失利益を認めました。

「後遺障害による逸失利益は,長期の将来にわたる収入の減少に対するてん補であるから,本件事故当時無職であることなどの事情があっても,永続的に就労の蓋然性がないといえない以上は,逸失利益は肯定しうるものと解される。そこで,前記2(1)アの本件事故以前の職歴・稼働実績に照らし,男子・高卒・全年齢平均賃金458万8900円(平成23年の賃金センサス)の7割に相当する収入が得られる蓋然性があるものと認めるとともに,本件事故による後遺障害の内容・程度(級)を勘案すれば,本件事故と相当因果関係のある逸失利益は,労働能力喪失率45%(併合8級),喪失期間を32年(症状固定時35歳)として算定するのが相当である。」

また、札幌地裁平成29年3月10日判決は、原告が事故前においてうつ病に罹患し、休職していたものの、事故時には安定しつつあり、事故後には障害者枠で雇用されていたという事案について、「原告が賃金センサスの平均賃金程度の収入を得られた蓋然性が高いとは認められないことから,原告の休職前の収入額308万7000円を基礎収入とすべきである。」として、休職前の収入を基礎とした逸失利益を認めました。

福岡地裁平成18年9月28日判決は、介護士になるための専門学校への進学が決まっていた被害者について、賃金センサス男性学歴計全年齢平均555万4600円を基礎とした逸失利益を認めました。

このように、就労の蓋然性がないと言えない程度であっても逸失利益が認められる余地はありますが、事故前後の状況から就労意欲等が高く、就労の蓋然性が高い方が、失職前収入あるいは

平均収入の100%を前提とした逸失利益が認められやすいと言えるでしょう。

ですから、失業していた被害者の逸失利益を請求するについては、就労能力や意欲の立証が肝要です。

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