高次脳機能障害と家屋改造費(交通事故)

さいとうゆたか弁護士

1 交通事故と家屋改造費

交通事故で重大な障害が残った場合、家を改造しないと自宅での改造ができないときには家屋改造費が賠償の対象となることがあります。
高次脳機能障害の場合、四肢自体は動きますが、それでも重度の場合には家屋改造費用が賠償の対象となることがあります。

2 高次脳機能障害と家屋改造費

東京地裁平成24年6月20日判決は、3級の高次脳機能障害の被害者について、火災防止のためガスコンロをIHクッキングヒーターに取り換えた費用として9万3234円の賠償を認めました。

取り換え費用の前提としては、「身の回り動作能力につき,基本的には自立しているが,食事,入浴につきときどき介助・見守り・声かけを,屋外歩行につきときどき介助を要し遠くへ行けない,公共交通機関は声かけをしないと利用できない,料理など家事をすることができるが時間がかかる,一つのことをしている途中で別のことが気になるとそれまでしていたことを忘れてしまうことがある,一人で買い物に行けるがメモを持って行かないと買うべき物を忘れてしまう,一人で犬を連れて散歩に行ける,といった状況」が前提となっています。

一つの作業をしているときに、別のことが気にかかるとやっていたことを忘れてしまうという状況があった以上、料理をしている最中に別のことが気になって火をつけたままどこかに行ってしまうというリスクもあるでしょうから上記取り換え費用は事故と因果関係のある損害と言えるでしょう。

このように、高次脳機能障害の症状(記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害)に起因して通常の住宅での暮らしには困難はあるが、改修することにより生活が可能になるような場合、その改修費用は賠償対象になりうると考えられます。
しかし、高次脳機能障害において、身体的には移動自体は可能なので、バリアフリーとするための改修費用等は賠償されにくいと考えられます。
実際、裁判例を見ても、高次脳機能障害の被害者についてバリアフリーのための改修費用が賠償されているケースは、ほとんどが他の障害もある場合のように思われます。

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