IT人材会社スカイテック社の技術者経歴偽装報道

報道によると、IT人材会社スカイテック社において、顧客に示した技術者の職務経歴書が偽装されていたとのことです。

同社社長においてそのような事実はないと否定していますので、実際に偽装があったかどうかは不明です。

しかし、万が一偽装があった場合、不正競争防止法等に違反する可能性があります。

不正競争防止法第二条は「この法律において「不正競争」とは、次に掲げるものをいう。」として不正競争となるケースを多々あげていますが、20号では、以下のとおり、取引に用いる書類に役務の質について誤認させるような表示をした場合に不正競争に該当するとしています。

「二十 商品若しくは役務若しくはその広告若しくは取引に用いる書類若しくは通信にその商品の原産地、品質、内容、製造方法、用途若しくは数量若しくはその役務の質、内容、用途若しくは数量について誤認させるような表示をし、又はその表示をした商品を譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、輸入し、若しくは電気通信回線を通じて提供し、若しくはその表示をして役務を提供する行為」

 そして、この不正競争に該当する場合、不正競争防止法3条により差止、同4条により損害賠償の対象となる可能性があります。
「第三条 不正競争によって営業上の利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある者は、その営業上の利益を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。」
「第四条 故意又は過失により不正競争を行って他人の営業上の利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責めに任ずる。」

さらに、刑法第二百四十六条は、「人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。」としています。派遣される技術者の技術に関する経歴という本質的な事項について虚偽を述べ、契約を締結させ、料金を払わせたのであれば詐欺罪に該当する可能性もあるでしょう。

その他、想定よりレベルの低い技術者が派遣されたことで課題の解決が遅れる等して顧客に損害が発生した場合には損害賠償の問題がありえますし、契約解除や詐欺による取り消しということもありうるでしょう。

仮に偽装があったとしたら、顧客の利益を害する程度は大きいと言わなくてはなりません。

徹底した事実解明と、万が一偽装があった場合には賠償や法令順守態勢の構築が必須でしょう。

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