好意同乗減額と損害額(交通事故)

交通事故

1 同乗者による損害賠償請求と好意同乗

自動車に乗車していた運転手以外の者が、その運転手による危険な運転を助長等していた場合、その危険な運転により生じた事故で損害を被っても損害全額の賠償を受けられないことがあります。これを好意同乗減額と言います。
以下、裁判例に即してご説明します。

2 好意同乗減額についての裁判例

京都地裁平成29年7月28日判決は、「好意同乗者の損害賠償額が減額されるのは,事故発生の危険性を増大させるような行為を誘発したり容認したりしていた場合に限られると解するのが相当である。」としました。その上で、速度超過により事故が発生した事案について、「以上のような同乗者であるE及びCの供述からは,原告車両内でAを含む誰かが,被告に対し,本件スタジアムに早く到着するために速度を出すように求めていたとは認められない。以上からすれば,Aが被告に対して,本件スタジアムに早く到着するため速度を出すことを求めていたとは認め難く,Aが危険の増大に関与していたとは認め難い。」として、同乗者が事故発生の危険性を増大させるようなことをしていないことを認め、好意同乗減額を否定しました。

名古屋地裁平成28年4月27日判決は、「運転者の好意により又は無償で同乗していた自動車につき事故が発生し,当該同乗者が損害を被った場合,①事故発生の危険性が高いような客観的事情(運転者の無免許,薬物濫用,飲酒,疲労等)が存在することを知りながらあえて同乗した場合(危険承知型),②同乗者自身において事故発生の危険性が増大するような状況を現出させた場合(スピード違反をあおったような場合,定員超過の場合等,危険関与・増幅型)には,過失相殺の規定の適用又は類推適用により賠償すべき金額を減ずるのが相当である。」としました。その上で、「これを本件についてみると,被告は,本件事故日午前3時ころ,一旦帰宅した後,原告から何回か電話があり,さらに原告から電話で呼び出され,原告の要請に従い,被告車両を運転して指定された場所に向かい,その後,原告の誘いに応じて,地理不案内の飲食店に赴くなどして,本件事故時には相当程度疲労し,眠気を催していたこと,被告は,前記飲食店からの帰宅中,道に迷ったところ,原告は,道が違っていることを認識しながら,正しい道を教えることはなく,被告の運転に協力することはなかったことが認められるから,原告は,本件事故発生の危険に関与し,その増幅に寄与したというべきである。以上の諸事情を考慮して,原告の損害額より10%減額するのが相当である。」として、深夜運転手を疲労の上運転させた場合について、事故の危険を増大させたとして10%の好意同乗減額を認めました。

このように事故の危険を増大させたと認められると損害額が減額される可能性がありますので、事故経過について話をする際には事故前の状況について注意をして話す必要があります。

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