物損と慰謝料(交通事故)

さいとうゆたか弁護士

1 物損と慰謝料

慰謝料は精神的苦痛を慰謝するための損害項目です。
人身損害の場合、慰謝料が発生することが多いです。
しかし、物損の場合、修理費等を賠償すればそれ以上慰謝料は発生しないというのが裁判例の趨勢です。

 

2 例外的に慰謝料が認められる場合

しかし、加害者が悪質である、被害者においてその物について特別な感情を抱くのが通常と思われるような場合には、物損についても慰謝料が認められます。

この点、東京地裁平成1年3月24日判決は、「財産的権利を侵害された場合に慰藉料を請求しうるには、目的物が被害者にとって特別の愛着をいだかせるようなものである場合や、加害行為が害意を伴うなど相手方に精神的打撃を与えるような仕方でなされた場合など、被害者の愛情利益や精神的平穏を強く害するような特段の事情が存する」場合に物損での慰謝料請求が認められるとしているところです。

例えば、京都地裁平成15年2月28日判決は、以下のとおり述べ、加害者が飲酒運転で、当て逃げをしたというケースについて、慰謝料10万円を認めています。

「被告は,飲酒運転をして本件事故を発生させた後,そのまま事故現場から逃走したこと,そのため,原告が事故現場付近を探索したところ,数百メートル離れた駐車場に損傷した被告運転の車両を発見し,本件事故の加害者が被告であることを突き止めたことが認められるところ,以上のような本件事故発生前後の被告の態度の悪質性及びこれにより原告が一定程度の心痛を受けたであろうと推認されることに鑑み,慰謝料として10万円を本件事故と相当因果関係に立つ損害と認める。」

また、交通事故でペットが亡くなったような場合、物損扱いとなりますが、ペットについては飼い主が特別な感情を抱くのが通常であり、慰謝料が認められる可能性があります。

大阪地裁平成18年3月22日判決は、以下のとおり、犬の死傷による慰謝料10万円を認めています(その他、財産的損害15万円、火葬関係費用約2万円、治療費約8万円も認められています)。

「パピヨンらをセラピー犬として飼っていたところ、本件事故によるパピヨンらの死傷により、精神的なショックを受け、病院への通院日数が増えたことが認められるところ、パピヨンらの死傷により控訴人が受けた精神的な苦痛に対する慰謝料としては一〇万円を認めるのが相当である。」

ですから、悪質事案、ペット等が対象となる事案では、物損でも慰謝料請求を検討すべきことになります。

 

3 新潟で交通事故のお悩みは弁護士齋藤裕へ

 

まずはお電話(025-211-4854)か、メールでご連絡ください。

交通事故についての一般的な記事

弁護士費用はこちらの記事

もご参照ください。

さいとうゆたか法律事務所トップはこちらです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です