骨粗鬆症・骨密度低下と素因減額(交通事故)

1 交通事故と素因減額

もともと障害のある人が交通事故に遭い、もともとあった障害が寄与して大きな損害が発生した場合、素因減額として損害額が減額されることがあります。

骨折の原因となる骨粗鬆症も素因減額の対象となることが多くあります。

2 骨粗鬆症と素因減額

名古屋地裁平成31年3月27日判決は、以下のとおり、骨粗鬆症も要因となった骨折について10パーセントの素因減額を認めました(被害者は66歳)。

「原告は本件事故により第1腰椎及び第2腰椎の横突起骨折をしたものであって,これが腰痛の一因となったと考えられるところ,原告は本件事故から約1年7か月前に滑り台を滑って第1腰椎椎体の圧迫骨折をしていること(前件事故),本件事故後ではあるが,B病院において骨粗鬆症の治療を受けたことに照らすと,原告の腰椎は,本件事故当時骨折しやすい状態にあったものと認められるから,素因減額を行うのが相当である(民法722条2項類推適用)。」
「もっとも,骨粗鬆症は,本件事故当時の原告の年齢(66歳)に照らすと,加齢的変性によるところもあると考えられること,また,上記のとおり,原告が骨粗鬆症の治療を受け始めたのは本件事故後であることを踏まえると,素因減額の割合としては,10%の限度にとどめるのが相当である。」

また、名古屋地裁平成29年6月23日判決は、以下のとおり、骨粗鬆症も要因となった骨折について20パーセントの素因減額を認めました。

「原告の本件事故当時の年齢(63歳),原告は骨粗鬆症を原因に既に第3,4腰椎について圧迫骨折をしていたこと,本件事故による受傷(Th12,L5圧迫骨折)にも骨粗鬆症の影響があること,加えて後遺障害の内容(第12胸椎,第3,4,5腰椎圧迫骨折後の脊柱の変形障害)に対しても骨粗鬆症の影響が認められ,後遺障害の程度については自賠責保険で別表の8級2号に該当すると評価されていること,これらの事情に対して,上記(2)イのとおり,本件事故により原告が受けた衝撃の程度は相当に軽微であって,原告車の運転者Aの受傷程度や,被告が受傷していないこととを比較検討すると,損害の公平な分担の観点から,傷害及び後遺障害を含む原告の損害全体について20%の素因減額を認めるのが相当である。」

衝撃の程度が小さいのに大きな傷害が残ったことで後者の裁判例においては大きな減額率となったと考えられます。

その他、年齢相応の骨密度であれば素因減額はされにくい等の判断要素があります。

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