飲食店や旅館の無断キャンセルの場合のキャンセル料

さいとうゆたか弁護士

1 栃木県の日光、鬼怒川、那須塩原などの温泉旅館8軒が無断キャンセルで宇都宮地裁大田原支部に提訴

無断キャンセルの事例が頻発しています。

報道によると、栃木県の日光、鬼怒川、那須塩原などの温泉旅館8軒が、無断キャンセルがあったとして、宇都宮地裁大田原支部に提訴をしたということです。

同じような被害は他の温泉旅館、飲食店でも多くあると思います。

2 飲食店の場合のキャンセル料

この点、日本フードサービス協会などは、飲食店における無断キャンセルの場合の指針をまとめています。

内容としては、

・無断キャンセルの場合は損害賠償請求が可能

・コース料理予約の場合は料金の全額

・席だけの予約の場合は店の平均の客単価の5割程度

というもののようです。

法律的には当然というか、むしろやや控えめな内容も含まれているように思います。

消費者契約法は以下のとおり定めます。

「第九条 次の各号に掲げる消費者契約の条項は、当該各号に定める部分について、無効とする。

一 当該消費者契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項であって、これらを合算した額が、当該条項において設定された解除の事由、時期等の区分に応じ、当該消費者契約と同種の消費者契約の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超えるもの 当該超える部分」

このように、事業者に生ずる損害を超えるキャンセル料の定めは、消費者契約法により無効とされる可能性があります。

しかし、上記した程度のキャンセル料であれば、事業者の受ける平均的な損害の範囲内であり、消費者契約法によっても無効とはされない可能性が高いように思います。

ですから、上記基準をもとに、各飲食店においてキャンセル料についての規定をもうけ、客の同意をとるようにすべきだと考えます。

なお、実際問題として、請求できると言っても回収が困難ではないかという声もあるようですし、そのような声はもっともかと思います。

ですから、指針でも指摘しているように予約の再確認はした方が良いでしょうし、無断キャンセルが出た場合の損失が看過できないくらい大きな金額となるような場合にはフルネーム、電話番号、会社名の確認などをした方が望ましいでしょう。

無断キャンセルが発生した場合には弁護士が代理して請求をすることもできます。弁護士と顧問契約を締結し、一括して請求を依頼するということも考えられます。

3 旅館の場合のキャンセル料

旅館の無断キャンセルについても2に準じて考えてよいでしょう。

温泉旅館については、無断キャンセルがあると用意した夕食・朝食・部屋の転用がほぼ不可能です。

ですから、予約していた宿泊代金全額についてキャンセル料請求できるのが通常かと思います。

そもそも無断キャンセルの場合、契約が解除されていないという見方も可能でしょう。ですから、キャンセル規定について明確な同意がない場合でも、当初契約に基づき宿泊代金を請求することが可能と考えます。

4 新潟でキャンセル料のお悩みは弁護士齋藤裕へ

飲食店や旅館の無断キャンセルなどでお悩みの方は当さいとうゆたか法律事務所(新潟県弁護士会所属)にご相談ください。

当事務所では、顧問契約締結の飲食店については、別途料金負担なしでキャンセル料の請求をいたします。

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