家からの締め出しと不法行為・家に戻る方法(離婚) 弁護士齋藤裕は初回相談料無料

離婚問題

執筆 新潟県弁護士会 弁護士齋藤裕(2019年度新潟県弁護士会会長、2023年度日弁連副会長)

新潟県での離婚のお悩みは弁護士齋藤裕(新潟県弁護士会所属)にご相談ください。初回相談料無料
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1 家からの締め出しと不法行為(離婚)

夫婦関係が悪化した場合、配偶者の一方が鍵を取り替えるなどして他方配偶者が家に入れなくすることがあります。

このような事案についての判決をご紹介します。

千葉地裁令和5年1月31日判決

自身が所有する家の鍵を取り換え、居住中の配偶者を締め出したことが不法行為に該当するとした裁判例です。

裁判所は、他方配偶者が居住する家の鍵の交換や荷物の搬出を不法行為としました。

特記すべきは、同判決では、代理人がそのような行為を容認していたことをもって共同不法行為が成立するとしていることです。

東京地裁令和4年1月19日判決

同判決は、妻が「本件建物を出て行った時点で,離婚の意思を固めてAとともに本件建物を立ち去ったものであり,その後の本件建物への立入りを求める発言なども,荷物を取りたいとか,お金がないのでとりあえず本件建物に居住したいとかいった希望を述べるものであり,本件建物から退去したわけではないことをいうものではない。同月17日の時点で,確定的に本件建物の占有を放棄したものというべきである。」として、一方配偶者が離婚の意思を固めて家を出て行った後の鍵の取り換えを違法とはしませんでした。

東京地裁平成30年1月25日判決

以下のとおり鍵の取替えが不法行為に該当するとしています。

「Aは,平成26年8月3日から同月5日までの予定で本件マンションを離れて原告ら宅に滞在していたところ,同月4日,突然被告から離婚の申入れを受け,もう一緒には暮らせないので同月5日に予定どおり本件マンションに帰ることはできないと告げられるとともに,離婚協議中は二人とも本件マンションに入らないこととするために鍵を替えることを提案され,同月6日頃には実際に被告が鍵を替えたことから,それ以降本件マンションに立ち入ることができなくなったことが認められる。本件マンションは被告とAが婚姻後に共同で購入したAの生活の本拠であり,Aは,3日間の予定でそこを離れていただけであるから,そのような生活の本拠に対してAが有する居住権は法的に保護されるべきものであり,Aを突如生活の本拠に入室できない状況に陥らせた本件行為1は,Aの居住権を侵害する不法行為法上違法なものであったといわざるを得ない。」

家からの締め出しの違法性についての考え方

離婚の意思を固めて家を出て行った者については、鍵の取り換えが不法行為とはならないケースも考えられます。

そのような事情がない場合について、東京地裁平成30年判決は、Aが3日間だけマンションを離れていたことを理由の1つとして鍵の取り換えを違法としています。

ですから、家を出てから数ケ月たったような場合についてどうかということについては判然とはしません。

家を出てから数ケ月たったとしても、従来から生活の本拠であったことを強調すれば、離婚をしておらず、荷物もあるのであれば、居住権がなくなるとはいえず、鍵の取替えは不法行為となる可能性はなくならないとも考えられます。

他方、離婚し、財産分与により、その不動産の所有権が一方配偶者のものとなった場合、他方配偶者に居住権があるとはいえないでしょうから、鍵を取り替えても不法行為とはならない可能性が大きいでしょう。

配偶者が家を出てから、財産分与により不動産の帰属が固まるまでの間はグレーゾーンの状態にあり、鍵を取りかえることには慎重であるべきでしょう。

ただし、DV保護法により保護命令が発令され、他方配偶者が住居からの退去を命じられている間においては、当該不動産に居住ができないことが法律的にはっきりしているので、鍵の取替えが不法行為とはならない可能性はあると考えます。

2 占有回収の訴え

なお、一方配偶者が他方配偶者から家を追い出された場合、占有回収の訴えにより帰宅をはかる方法があります。

この点、東京地裁平成17年3月22日判決は、夫が妻の荷物をマンションから出し、鍵を取り換えたという事案について、共同占有のために夫に居室を引渡すことを命じました。

同判決は、

「①妻は,夫と結婚し本件居室に居住していたこと,②妻は,妻の母親が病気のため,平成15年ころから,度々実家に戻って母親の看病をし,本件居室を空けることが多くなり,その時々に必要な衣類等を持ち帰ったこと,③しかし,平成16年2月13日ころの時点において,妻及び長男の衣類,その他の所持品が多数あり,それらの荷物を被告が本件マンションの207号室に降ろしてしまったことからすると,妻及び長男がほとんど本件居室に住んでいなかったとしても,本件居室の中にその所持品が多数あったのであり,原告の占有があったことは明らかである」として、妻がマンションにあまりいなかったとしても、荷物があったとして、妻の占有を認めました。

そして、妻が占有を放棄したわけでもないのに、夫が占有を侵奪したとして、夫に居室の引渡しを命じました。

このように、家からの締め出し事案において、裁判により家に戻ることができる場合もあります。

3 新潟で離婚のお悩みは弁護士齋藤裕へ

離婚全般についての記事

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財産分与

不倫

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