近親者が付添をすることで休業した場合と付添看護費用(交通事故)

交通事故

1 近親者が付添した場合と休業損害(交通事故)

交通事故の被害者が入院し、近親者が付添看護をする場合、1日6500円を目安として付添看護費が認められることが多いです。

この金額については、近親者が付添看護をすることにより休業したとして、休業損害額とする場合もあります。

神戸地裁平成28年1月18日判決は、以下のとおり述べて、付添看護をした親族の休業損害額1日1万6462円~2万3905円、公休日については1日6000円を認めています。

「原告X1については,上記①認定の年収額600万8851円を365日で除した日額1万6462円を,Bについては,上記①認定の年収額872万5469円を365日で除した日額2万3905円を,公休日については,近親者の入院付添の定額である日額6000円を認めるのが相当である。したがって,付添看護費用等は,(ア)原告X1 23万0468円(日額1万6462円×有給休暇取得日数14日),(イ)B35万8575円(日額2万3905円×有給休暇取得日数15日),(ウ)公休日28万2000円(日額6000円×47日)の合計87万1043円が認められる。」

福岡地裁平成25年7月4日判決は、以下のとおり述べ、親族の年収から導かれる1日あたりの収入より少し低い額を付添看護費としています。

「その日額は、原告松夫の平成一七年の給与収入が四六六万五〇〇〇円であったこと等に照らし、一万円と認める。」

大阪地裁平成23年4月25日判決は、以下のとおり述べ、一日あたりの付添看護費用を算定するのではなく、付添看護で失われた収入全体をそのまま付添看護費として認めています。

「上記認定のとおり,原告は,本件事故により,脳挫傷,右急性硬膜下血腫,頭蓋底骨折及び後頭骨骨折等の傷害を負い,本件事故後は,一貫して入院治療を継続しているところ,証拠(甲12,44,成年後見人B本人)によれば,路線バスの運転手をしていた成年後見人Bは,平成17年3月2日から同年6月6日までの間,65日間仕事を休み,3日間の有給休暇を取得して,原告が入院する病院に連日通ったこと,そのために同人は,127万2794円の給与の支払を受けられず,8万5117円の賞与の減額を受けた事実が認められる。
以上によれば,原告の症状に鑑み,付添看護の必要性を認めることができるから,成年後見人Bが受領することができなかった給与及び賞与の合計額である135万7911円は,近親者付添看護費として認めるのが相当である。」

 

このように裁判例においては、年収ベースの付添看護費を認める事例が少なくありません。

1日6500円より高くなることが見込まれる場合には、年収ベースの付添看護費を請求することも検討されるべきです。

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