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1 交通事故で必要となった学習費と賠償
子どもが交通事故で入院などした場合、退院後に勉強を取り戻すための学習費(塾や家庭教師)がかかる場合があります。
また、入院などにより、塾などに行くことができず、それまで払った授業料などが無駄となることもあります。
そのような場合、学習にかかわる費用について賠償が認められることがあります。
学習の遅れを取り戻すための家庭教師代の賠償を認めた裁判例
例えば、横浜地方裁判所平成26年12月26日判決は、以下のとおり述べて、勉強の遅れを取り戻すための家庭教師代の賠償を認めています。
「原告は,上記認定のとおり,本件事故後,トリマー専門学校の専門課程(2年間)に進学し,毎週月曜日に通学していたが(8割以上の出席が要件),本件事故により十分な技術の習得・訓練ができず,進級及びライセンスの取得が困難となる可能性が生じたため,平成22年6月から9月にかけてトリミングの家庭教師の指導を受け,7万5000円を出捐したことが認められ,これに照らすと,原告が家庭教師を依頼したことには相当な理由があるから,本件事故と相当因果関係のある損害と認めるのが相当である。」
大分地裁平成20年3月31日判決は、「原告Aは,解離性健忘のために,E高校における学習の記憶が失われ,本件事故後,学習塾を利用して,再度学習し直し,これに26万3470円を要した」として、学習塾代の損害賠償を認めました。参照:学習塾代の損害賠償を認めた裁判例
岡山地裁倉敷支部兵営14年6月28日判決は、高次脳機能の被害者について家庭教師代30万5520円の損害賠償を認めています。参照:家庭教師代の賠償を認めた判決
交通事故による留年の場合の学費等の損害賠償を認めた裁判例
交通事故による入院等により留年せざるをえなかった場合、追加で必要となる学費等について損害賠償の対象となる可能性があります。
岡山地裁平成9年5月29日判決は、以下のとおり述べ、事故による入通院のために留年を余儀なくされた場合に、追加でかかる学費及び賃料の損害賠償を認めました。
「原告は本件事故による入通院のため五ヶ月余にわたり大学の講義を受けることができず、単位修得に重大な支障を来し、一年間の留年を余儀なくされたこと、納付すべき一年間の学費は九七万六〇〇〇円であることが認められ、右認定事実によれば、原告は同額の損害を蒙ったものと認めるのが相当である。」
「原告は前項の留年に伴い、一年間余分にアパート住まいを余儀なくされたこと、一年間のアパート賃貸料五五万六八〇〇円であることが認められ、右認定事実によれば、原告は同額の損害を蒙ったものと認めるのが相当である。」
不必要に払うことになった学費の賠償を認めた裁判例
交通事故のため、学校に通うことができなくなった場合に、無駄になった支出済の学費等について損害賠償請求の対象となることがありえます。
東京地裁平成24年11月28日判決は、以下のとおり述べて、無駄になった支払い済の入学金についての損害賠償を認めました。
「亡Aは本件事故前に,△△大学に73万3200円の学費を支払い,うち25万円(入学金相当額)については返還されないことが認められる。この25万円については,本件事故と相当因果関係のある損害と認められる。」
なお、大阪地裁平成30年4月16日判決は、以下のとおり述べて、不必要に支払うことになった学費についての賠償を認めつつ、4月に退院した年度の学費については賠償の対象としては認めませんでした。
「本件事故により被告が余分に負担を余儀なくされた学費費等ということができるのは,平成26年度前期の授業料65万3200円及び同年度後期の休学手数料6万0000円の合計額に相当する71万3200円であり,同額をもって,本件事故と相当因果関係のある損害と認める。」
このように、退院などした後に留年などをしたとしても、それが交通事故と因果関係にあること(学習能力が衰えたとか、通院にかなり日数を要したなど)について具体的に主張立証しないと、賠償の対象とはなりにくいということになります。
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