
公職選挙法は以下のとおり定めます。
第二百四十九条の二 第百九十九条の二第一項の規定に違反して当該選挙に関し寄附をした者は、一年以下の禁錮又は三十万円以下の罰金に処する。
3 第百九十九条の二第一項の規定に違反して寄附(当該選挙に関しないもので、かつ、通常一般の社交の程度を超えないものに限る。)をした者で、次の各号に掲げる寄附以外の寄附をしたものは、五十万円以下の罰金に処する。
一 当該公職の候補者又は公職の候補者となろうとする者(公職にある者を含む。以下この条において「公職の候補者等」という。)が結婚披露宴に自ら出席しその場においてする当該結婚に関する祝儀の供与
二 当該公職の候補者等が葬式(告別式を含む。以下この号において同じ。)に自ら出席しその場においてする香典(これに類する弔意を表すために供与する金銭を含む。以下この号において同じ。)の供与又は当該公職の候補者等が葬式の日(葬式が二回以上行われる場合にあつては、最初に行われる葬式の日)までの間に自ら弔問しその場においてする香典の供与
このように、公職選挙法は、公職にある者などが、選挙区の有権者に対して香典を支払った場合において、本人が葬式に出席しなかった場合には50万円以下の罰金に処するとしています。
今回の疑惑では、秘書が香典を出したということになると、本人が葬式に出席しなかった場合として罰金刑に処せられ得ることになります。
罰金50万円以下というと一見大したことがなさそうです。
しかし、公職選挙法は、以下のとおり、249条の2に違反した場合における選挙権及び被選挙権の剥奪、つまり公民権停止について定めています。
「第二百五十二条 この章に掲げる罪(第二百三十六条の二第二項、第二百四十条、第二百四十二条、第二百四十四条、第二百四十五条、第二百五十二条の二、第二百五十二条の三及び第二百五十三条の罪を除く。)を犯し罰金の刑に処せられた者は、その裁判が確定した日から五年間(刑の執行猶予の言渡しを受けた者については、その裁判が確定した日から刑の執行を受けることがなくなるまでの間)、この法律に規定する選挙権及び被選挙権を有しない。」
つまり、公職にある人が、自ら出席しない葬式で香典を出し、罰金刑に処せられた場合、公職を辞めざるを得ないということであり、政治生命に大きくかかわってくることになります。
これだけの重大案件ですから、菅原一秀経済産業相の速やかな説明が待たれると思います。