新型コロナウイルス法律相談 その3 風評被害など

さいとうゆたか弁護士

1 新型コロナと風評被害

新型コロナウイルス感染症が蔓延しつつあり、感染者などについての真偽入り混じった情報がネット上に書き込まれるようになっています。

感染者ではないのに感染者だとされたり、店舗について感染者が出入りしたこともないのに感染者が出入りしたと書き込まれるというケースもあるようです。

また、当然、実際に感染者である人がネット上で個人名などをさらされる事態も生じています。

これらは違法な書き込みとして、被害者から削除や損害賠償を求めることができる可能性があります。

以下、説明します。

2 新型コロナと名誉棄損

まず、新型コロナウイルス感染者、あるいは感染者が出入りしたり濃厚接触した店舗や人については、残念ながら差別の対象とされている側面があります。

よって、特定の人が新型コロナウイルス感染者であることなどをネットで書き込んだ場合、社会的評価を低下させるものとして名誉棄損とされる可能性があります。

名誉棄損でも、ⅰ 真実であるか、真実であると信じることについて相当性がある場合、ⅱ 事柄の公共性、ⅲ 公益目的のいずれもある場合については、違法性がないとされることになります。

実際には違う人を新型コロナウイルス感染者として書き込んだような場合、通常はⅰの要件を欠くため、違法な名誉棄損とされるでしょう。

実際に感染した人を特定して感染者として書き込んだ場合でも、通常は個人のプライバシー領域の問題にとどまるでしょうし、個人名を特定する公益上の必要性は多分に疑問がありますので、やはり違法な名誉棄損とされる可能性があると思われます。

以上より、いずれにしても、ネット上で、個人を名指しして、感染者などとして書き込むことは違法とされ、損害賠償などの対象とされる可能性があることになります。

3 新型コロナとプライバシー侵害

また、特定個人が新型コロナウイルスに感染したという情報は極めて機微で私的な情報であり、それをさらす必要性も高くないと思われますので、それをネット上に書き込むことは違法なプライバシー侵害となる可能性があります。

4 新型コロナと発信者情報の特定

以上のような違法な名誉棄損、プライバシー侵害とされると、プロバイダ責任制限法に基づく発信者情報開示請求により書き込んだ人を特定できることがあります。

被害を受けた人は、この手続きを使い、書き込んだ人を特定し、損害賠償請求などをすることになります。

5 新潟の弁護士齋藤裕にご相談ください

特定の人が新型コロナウイルスに感染したという情報を公表することは感染防止に資するものではありませんので、みなさんには個人が特定できる書き込みをされないよう希望します。

また、被害にあった方は、当さいとうゆたか法律事務所にお気軽にご相談ください。

 
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