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1 お年玉と財産分与
離婚の際には、夫婦で築き上げた財産、つまり夫婦共有財産を財産分与で分与することになります。
誰か1人の財産である特有財産は財産分与の対象にはなりません。
そこで、何が夫婦共有財産なのか、特有財産なのかの区別は極めて重要です。
特に、子どもがいる場合、子ども名義の預貯金が、子どもの特有財産なのか、夫婦共有財産なのか争われることが多いです(親名義の学資保険はほとんどの場合夫婦共有財産です。親がお子様の将来のためにその収入から貯めた預貯金も夫婦共有財産とされることが多いでしょう)。
以下、特に問題となることの多いお年玉(を貯めた預貯金)について、夫婦共有財産として財産分与の対象になるのかどうかについて解説します。
2 10歳のお年玉を財産分与対象にした東京地裁平成16年1月28日判決
同判決は、以下のとおり述べて、子ども年齢が10歳で財産管理能力がないことも踏まえ、お年玉などをためた預貯金を夫婦共有財産として財産分与の対象としました。
「最年長の長女も現在10歳であり,上記の預金を自ら管理できる状態にないことは明らかである。このような年齢の子供の名義の預金については,用途を限定して他人から譲り受けたような金銭であればともかく,お年玉等の蓄積や,原告X2及び被告夫婦が将来のため子供名義で預金をしたとした場合には,実質的に夫婦の共有の財産とみるのが相当である。」
3 当然のようにお年玉を財産分与対象とした東京地裁平成17年5月19日判決
同判決も、以下のとおり述べて、お年玉から貯めた預貯金を当然のように夫婦共有財産に該当するとしています。
「前記貯金は,Aが貰ったお年玉等に月々の生活費の余剰分を蓄えたものであるから,夫婦の共有財産というべきであり」
4 結局、お年玉を財産分与においてどう考えるか
上記のとおり、裁判例においては、お年玉をためた預貯金も夫婦共有財産に該当するというのが原則としていると考えられます。
例外的に、子どもが成人に近いような場合などには子どもの固有財産となりうるというところでしょう。
そうはいっても、非監護親にとっても、お年玉を厳密に財産分与することでお子様との関係を悪化させるという側面もあるでしょう。
ですから、法律的な側面以外の、お子様との関係性も考慮した判断が重要となります。
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