
1 複数女性との不倫・不貞と慰謝料
佐々木希さんの夫のアンジャッシュ渡部建さんが複数女性と不倫をしていたと報道され、複数女性との不倫が話題になっています。
不倫・不貞があった場合、離婚理由となりますし、慰謝料請求の理由ともなります。
特に、複数女性と不倫・不貞をした場合、そのことは不貞をした配偶者との関係で慰謝料の加算理由となりえます。
逆に、不貞をした配偶者が複数女性と不貞をしていた場合、不貞相手の責任は分散され慰謝料額が低くなるのか問題となりうるように思います。
以下、複数女性との不倫・不貞があった場合の慰謝料額について裁判例を概観します。
2 複数女性との不倫・不貞と配偶者の慰謝料
東京地裁平成30年1月12日判決は、夫がハプニングバーで複数女性との間で不倫・不貞をしたことを認め、慰謝料200万円を認めています。
平成22年7月結婚の夫婦において、平成27年3月までに別居し、平成27年6月に離婚しています。
ですから婚姻期間5年弱です。
判決は、複数女性との不倫・不貞を慰謝料額算定の上で明示していません。
また、金額的にも特段高額なものともなっていません。
ですから、不倫・不貞が複数女性との間でなされたとしても、それ自体が慰謝料額に決定的な影響を与えるとは言えないと考えます。
3 複数女性との不倫・不貞で不貞相手の慰謝料額が影響を受けるか
東京地裁平成28年11月25日判決は、妻から夫と不貞をしていた女性に対する200万円の慰謝料請求を認めました。
昭和55年結婚、判決時点で婚姻関係継続、不貞期間21年間、中絶ありです。
判決は、「被告は,①Aが,被告以外の女性と不貞行為に及んでいたこと・・・をもって,原告とAの婚姻生活が希薄化しており,原告の平穏な婚姻生活を維持する権利が侵害されていないか,または,その損害が軽微である旨主張する。しかし,上記①の点については,Aについて非難すべき事情であるとしても,そのことは,何ら被告の行為を正当化するものではなく,被告の原告に対する慰謝料額に影響する事情に当たらない」として、夫が複数女性と不貞していたことは慰謝料額に影響しないと判断しました。
他方、東京地裁平成15年9月16日判決は、妻から不貞相手に対する慰謝料請求について、夫が複数人と不貞をしており、他の女性から慰謝料150万円が支払われていることを減額要素とし、慰謝料180万円としました。
不貞期間は平成12年から15年、夫婦の婚姻期間は平成12年からで、判決当時離婚係争中です。
以上から考えると、基本的には不倫相手が複数であることによって不倫相手が支払う慰謝料は減額されない、しかし複数の不貞相手の一部が現実に慰謝料を払うような場合についてはその分が考慮され慰謝料が減額されるということになりそうです。
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