
1 セイコーマート、吉野家、ケンタッキーがレジ袋無料化継続との報道
報道によると、北海道のコンビニであるセイコーマートが、レジ袋有料化が義務付けられる7月1日以降も有料化をしないとのことです。
なぜそのような対応が可能なのか、解説します。
2 レジ袋有料化制度の根拠法は?
レジ袋有料化制度の根拠となるのは、容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律です。
同法律の第七条の四は、「主務大臣は、容器包装廃棄物の排出の抑制を促進するため、主務省令で、その事業において容器包装を用いる事業者であって、容器包装の過剰な使用の抑制その他の容器包装の使用の合理化を行うことが特に必要な業種として政令で定めるものに属する事業を行うもの(以下「指定容器包装利用事業者」という。)が容器包装の使用の合理化により容器包装廃棄物の排出の抑制を促進するために取り組むべき措置に関して当該事業者の判断の基準となるべき事項を定めるものとする。」としています。
そして、ここでいう「基準」として定められたのが、「小売業に属する事業を行う者の容器包装の使用の合理化による容器包装廃棄物の排出の抑制の促進に関する判断の基準となるべき事項を定める省令」です。
この省令が改正され、レジ袋有料化が7月1日から義務付けられることになりました。
3 レジ袋有料化制度の内容
省令によると、レジ袋有料化制度の内容は以下のとおりです。
1 消費者が購入した商品を持ち運ぶために用いる、持ち手のついたプラスチック製買物袋については原則有料化しなければならない。
2 プラスチックの厚さが50マイクロメートル以上のもの(繰り返し使用できるので)、海洋生分解性プラスチックの配合率が100%のもの(海洋プラスチックごみ問題対策に寄与するから)、バイオマス素材の配合率が25パーセント以上のもの(カーボンニュートラルで地球温暖化対策に寄与するから)は有料化の例外とされています。これらの要件を満たすだけではなく、これらの要件を満たすことが表示などされていることも要求されます。例えば、バイオマス素材の場合、第三者が配合率25パーセント以上であることを認証したことを表示しなければなりません。
セイコーマートはバイオマス素材の配合が30パーセントのレジ袋を採用することで有料化の規制から外れることができたのです。
新型コロナ対策とレジ袋有料化規制への適合との両方を満たした、極めて合理的な選択だったと考えます。
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