遷延性意識障害・植物状態の将来介護費(交通事故)

さいとうゆたか弁護士

1 将来介護費

交通事故で重度な後遺障害が残った場合、将来介護費の賠償が認められることがあります。
遷延性意識障害の場合は将来介護費が必要なことが明らかですから、通常は認められることになります。

2 遷延性意識障害と介護費

公益財団法人日弁連交通事故相談センター東京支部「民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準 上巻(基準編) 2020」では、近親者付添人の費用について1日8000円を目安としていますが、増減することはありえます。例えば、広島地裁福山支部平成16年5月26日判決は、妻の付添看護費を日額1万円と認定しています。これは介護内容,拘束時間が根拠とされています。

職業付添人については見積額等によることになりますが、例えば千葉地裁佐倉支部平成18年9月27日判決は、日額2万7000円と認定しています。これは介護の内容と見積を前提に認定がなされています。

ですから、近親者付添人、職業付添人のいずれについても介護内容が介護費日額を決める要素になるものの、職業付添人については見積も影響するということになります。

これらの近親者付添人、職業付添人については、必要とされる介護の内容によっては、同一の期間について近親者付添人と職業付添人の費用が1人分ずつ、計2人分認められることもありますし、職業付添人の費用が2人分認められることもあります。近親者付添人が高齢化して介護を担うことができなくなることを踏まえ、ある時期までは近親者付添人の費用、ある時期以降は職業付添人の費用が認められるということもあります。平日については近親者付添人、休日については職業付添人という前提で賠償が認められることもあります。これらは被害者の状況や介護を行う側の都合等に応じてかわってきます。

職業付添人の費用については公的給付である程度賄われる場合であっても、それが将来にわたり利用できるとは限らないので、公的給付を前提としない金額を基礎として計算されることになります。

遷延性意識障害で介護を受けていた人が裁判中に死亡した場合、以降の介護費用については賠償請求できないことになります(最高裁平成11年12月20日判決)。

 

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