
1 入院付添費
多くの病院においては完全看護とされており、交通事故の被害者が入院した場合でも親族の付添は必須ではない場合もあり、入院付添費は常に認められるわけではありません。
症状が重い場合、医師の指示がある場合等において入院付添費が認められることになります。
この点、最重度の障害である遷延性意識障害・植物状態の場合、入院付添費の賠償が認められやすい傾向があります。
以下、裁判例を見ます。
2 遷延性意識障害の入院付添費に関する裁判例
京都地裁平成24年10月17日判決は、以下のとおり、「遷延性意識障害により常時介護が必要」という簡単な理由付けで入院付添費1274万4000円を認めています。
「遷延性意識障害により常時介護が必要で,入院期間1972日中,少なくとも1593日は近親者による付き添いを要したと認める。(甲26,原告X3本人)
付添介護費用は,1日8000円が相当である。
8000円×1593日=1274万4000円」
このように遷延性意識障害の場合、入院付添費の賠償が認められやすいのと、通常は日額6500円程度の入院付添費が高めに認められることもあることが特徴です。
必ずしも実際に介護をしていないとしても、重度障害がある場合に親族が立ち会いたいと思うことは当然ですので、あまりどのような介護が必要かなど細かく詰めないまま認められる傾向があります。この点、神戸地裁平成28年1月18日判決は、「付添看護(介護・介助)の必要性がなかったとしても,原告X1,Bその他の近親者が重篤な症状のAに対する声掛けや容態の急変に対する対応のために付き添うことや転院・成年後見の手続準備のために病院へ行くことは許容されるというべきである」としてこのことを明確にしています。
日額については、神戸地裁平成28年1月18日判決のように、付添をする人の年収を日割りして算定することもあります。
職業付添人が付き添う場合、その実費が原則として賠償されます。
なお、親族付添人については、いつ付添したかが争われることがあります。
看護記録等に記録が残っていればいいのですが、そうでない場合については言った言わないになる可能性があります。
付添をした人の有給休暇の記録などが証拠となることもあります。
付添については日記をつけるとか、駐車場の領収書等の客観的記録を保管しておく等のことが重要となります。
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