「発信者情報開示に係る意見照会書」が来たらどうする?

さいとうゆたか弁護士

1 プロバイダ責任制限法と発信者情報開示に係る意見照会書

ネット上の書き込みについて、それが名誉棄損などの権利侵害に該当すると考える人がいた場合、プロバイダ責任制限法という法律に基づき、書き込んだ人の個人情報が開示請求される可能性があります。

この開示請求は、プロバイダ責任制限法5条を根拠とするものになります。

第五条は、「特定電気通信による情報の流通によって自己の権利を侵害されたとする者は、当該特定電気通信の用に供される特定電気通信設備を用いる特定電気通信役務提供者に対し、当該特定電気通信役務提供者が保有する当該権利の侵害に係る発信者情報のうち、特定発信者情報(発信者情報であって専ら侵害関連通信に係るものとして総務省令で定めるものをいう。以下この項及び第十五条第二項において同じ。)以外の発信者情報については第一号及び第二号のいずれにも該当するとき、特定発信者情報については次の各号のいずれにも該当するときは、それぞれその開示を請求することができる。

一 当該開示の請求に係る侵害情報の流通によって当該開示の請求をする者の権利が侵害されたことが明らかであるとき。
二 当該発信者情報が当該開示の請求をする者の損害賠償請求権の行使のために必要である場合その他当該発信者情報の開示を受けるべき正当な理由があるとき。
三 次のイからハまでのいずれかに該当するとき。」
としています。

そして、開示請求を受けたプロバイダ(携帯電話会社等)は、多くの場合、開示をする前に、ネットに書き込んだと思われる人に対し、「発信者情報開示に係る意見照会書」を送付し、その意見を聴くことになります。

この意見照会は、プロバイダ責任制限法6条2項が、「開示関係役務提供者は、発信者情報開示命令を受けたときは、前項の規定による意見の聴取(当該発信者情報開示命令に係るものに限る。)において前条第一項又は第二項の規定による開示の請求に応じるべきでない旨の意見を述べた当該発信者情報開示命令に係る侵害情報の発信者に対し、遅滞なくその旨を通知しなければならない。ただし、当該発信者に対し通知することが困難であるときは、この限りでない。」としていることを受けたものです。

プロバイダは、発信者情報開示の裁判等の場で、「発信者情報開示に係る意見書」に対する回答書を踏まえ、開示の必要がない等と主張をしていくことになります。

プロバイダの主張が認められないと、裁判所は書き込みをした人の個人情報の開示を命ずることになります。

そうなると、今度は書き込みをした人が裁判を起こされる可能性も出てくることになります。

2 意見照会書が来たらどのように対応するか?

例えば、名誉棄損とされる書き込みがあった場合でも、記載されている内容が真実であれば、開示が認められない可能性があります(「権利が侵害されたことが明らか」とは言えないため)。

しかし、開示請求を受けるプロバイダは、記載されている内容が真実かどうかわかりません。

ですから、「発信者情報開示に係る意見書」に対する回答が適切に記載されていないと、プロバイダは発信者情報開示を求める裁判の中でも適切に反論をすることができず、本来は認められるべきではない発信者情報開示がなされるおそれもあります。

そのため、「発信者情報開示に係る意見書」に対する回答書については、法律的な観点も踏まえ適切に記載を行う必要があります。

3 新潟で発信者情報開示に係る意見照会書に対する回答書についてのお悩みは弁護士齋藤裕にご相談ください

どのような回答が有効かどうかを判断しうるのは名誉棄損訴訟等を手掛けてきた弁護士ということになります。

不当に発信者情報開示がなされることを防止したい方は、弁護士齋藤裕(新潟県弁護士会所属)にご相談ください。

初回相談料5000円、回答書作成は5万5000円からとなります。

まずはお電話(025-211-4854)か、メールでご連絡ください。

さいとうゆたか法律事務所トップはこちらです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です