Snow Man宮舘涼太さんをめぐり週刊女性発行元の主婦と生活社が誤報 法的責任は?

さいとうゆたか弁護士

Snow Man宮舘涼太さんをめぐる報道で誤報

週刊女性の発行元である主婦と生活社が、週刊女性の記事について、事実の確認ができなかったとして謝罪を公表しました。

これは、Snow Manの宮舘涼太さんが新型コロナウイルスに感染したことについて、女性と飲食したことが原因だと報道したとの記事についてのものです。

現在、飲食により新型コロナウイルスに感染したとされた場合、強く批判される傾向がありますので、この記事は宮舘さんの社会的評価を大きく低下させるものであり、名誉棄損に該当すると言えるでしょう。

それでは主婦と生活社は何らかの法的責任を負うことになるでしょうか?

名誉棄損をしても、記事の内容が正しく、あるいは正しいと信じることについて相当の理由があれば違法性がないとされ、損害賠償等の法的責任は生じないことになります。

京都地裁令和2年9月28日判決は、週刊誌報道において真実に反する報道がされたことについて、真実と信じるについて相当な理由があったかどうかが争われたのに対し、相当な理由はなかったとしました。

同判決は、

ⅰ 記者は一応の取材活動をしてはいるものの、取材源となる人物は名誉をき損された者と対立する関係にあったこと

ⅱ よってその者の供述については慎重に検討すべきだったのに、客観的な裏付けもとらなかったこと

ⅲ 補充的な取材もしているが、その取材源も中立的な立場ではなかったこと、それらの取材源からの取材についても名誉をき損された者と利害対立する者が同席していたこと

ⅳ 名誉をき損された者に対する取材申し込みさえなかったこと

等を踏まえ、「被告個人(貴社)は,本件記事を執筆するに当たり,本件事実が真実であると信じていたとしても,そのように信ずるについて相当な理由があったということはできない。」として違法な名誉棄損該当性を求め、慰謝料の支払いを命じました。

主婦と生活社についても、女性と会食したことについて写真等の裏付けもない、Snow Manの所属社に会食の事実や他の感染原因について確認もしなかった等の事情があれば、今回の誤報について名誉棄損として損害賠償等の責任を負うことになりえます(特に後者は困難ではなかったはずです)。

謝罪をしても慰謝料額が減るだけで損害賠償責任が否定されるものではありません。

主婦と生活者については真剣に再発防止策を策定すべきでしょう。

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