
1 財産分与と税金
贈与税
清算的財産分与は、実質的には夫婦共有財産であったものを、離婚に伴い分けるものでしかありません。
ですから、贈与には当たらず、通常贈与税は課税されません。
しかし、財産分与としては説明できないような金額のお金等が行き来等する場合には、実質的には贈与とされ、贈与税が課税されることもありうるので注意が必要です。
不動産取得税
不動産を取得する際の都道府県税として不動産取得税があります。
財産分与について、不動産取得税がかかるかどうかはケースバイケースということになります。
東京地裁昭和45年9月22日判決等は、実質的な共有財産を清算する趣旨での不動産の移転について不動産取得税は課税されないとしており、税務当局においても、結婚後、夫婦で住宅ローンを支払ってきたような不動産を清算的財産分与するために名義移転するような場合、不動産取得税を課税しないという扱いをするのが一般的です。
それ以外の場合には不動産取得税が課税される可能性があります(実際、私の方で、そのような事例を経験したことはありませんが)。
例えば、慰謝料や財産分与の支払等として、特有財産に該当する不動産(夫婦のどちらかが相続等により取得したり、結婚前に得たお金で購入したような不動産)の名義を他方配偶者に移転するような場合、不動産取得税が課税される可能性があります。
譲渡所得税
不動産が購入時より増額したような場合、その不動産を財産分与することで譲渡所得税が課税されることがありえます。
ただし、少なくとも、実質的夫婦共有財産である不動産を分与した場合に譲渡所得税を課税することについては学説上の批判が強く、裁判で争った場合に課税が取り消される可能性もないとは言えません。
なお、現在の新潟県において、不動産の価格が目立って増額するということがほとんどないため、現実には課税されることはほとんどないと考えられます。
2 慰謝料と税金
慰謝料については税金は課税されません。
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