執筆 新潟県弁護士会 弁護士齋藤裕(2019年度新潟県弁護士会会長、2023年度日弁連副会長)
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1 後遺障害等級12級の場合の逸失利益
交通事故で後遺障害等級12級に認定された場合、通常は14パーセントの労働能力喪失率で逸失利益が計算されます。
しかし、あくまでこれはめやすであり、14パーセント以上で計算される場合も、それ以下で計算される場合もあります。
以下、後遺障害等級12級の場合で、14パーセントを超える労働能力喪失率が認められる事例についてみていきます。
2 後遺障害12級で14パーセント超の労働能力喪失が認められた事例
ある後遺障害が仕事にどの程度影響するかは、その仕事自体でしょう。
そのため、後遺障害等級12級でも、職業によっては、14パーセントを超える労働能力喪失率が認められることがあります。
この点、東京地裁平成17年6月30日判決は、「右橈骨神経領域(右前腕)に,知覚鈍麻,しびれ等が残存し」ており、局部に頑固な神経症状(12級12号)があるとされた事例について、原告が造園設計の仕事に携わってきており、かつ、造園設計においては,製図など微細な手作業を要する領域が相当程度存在すると考えられるところ,腕関節に回内・回外の制限があることにより,思うように手のひらを回すことができない等として、20%の労働能力を喪失を認定しているところです。
同様に、12級で14パーセント以上の労働能力喪失が認められた事例としては、右肩関節機能障害のある指圧師、右足関節の機能障害のある調理師、右足関節の機能障害のあるクレーン建設作業員、左ひざ痛のある造園業、右股関節の神経症状のある配達業務従事者等について14パーセントを超える労働能力喪失率が認められています。
ある職業で使う部位、負担がかかる部位に症状がある場合、14パーセントを超える可能性が高まってくると言えるでしょう。
3 後遺障害12級における年齢と労働能力喪失率
以上の他、年齢も重要な要素となります。
若い人は職業を変える余地は大きいですが、高齢者はそうではありません。
ですから、高齢者の場合、後遺障害のため、事故時の職業を十分行いえなくなった場合、リカバリーが困難です。
その分、高齢者の方が労働能力喪失率が高くなりがちです。
4 後遺障害12級において、その他に労働能力喪失率に影響する事情
複数の後遺障害があるような場合については、1つしかない場合より労働能力喪失率が高く認められる可能性はあるでしょう。
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