執筆 新潟県弁護士会 弁護士齋藤裕(2019年度新潟県弁護士会所属、2023年度日弁連副会長)
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1 弁護士といえば内容証明郵便?
当事務所にご相談やご依頼される方々の中で少ないない方が、「相手に内容証明を出してください」と内容証明という郵送方法を指定されます。
確かに内容証明郵便はメリットのある郵送方法ですが、必ずしも常に望ましいわけではないと考えます。
以下、状況に応じた郵送方法についてご説明します。
2 内容証明郵便、配達証明郵便、特定記録
内容証明郵便は、どのような内容の手紙を、いつ、誰が、誰に送ったか、郵便局が証明してくれる郵便です(参照・郵便局サイトの内容証明郵便のページ)。
内容証明のメリット
内容証明郵便について、送った送らないの争いが生じにくいと言えます。
ですから、時効に関わる書面、契約の解除などに関わる書面など、法的に重要な意味がある書面については内容証明郵便で送ることが必須でしょう。
また、受け手が、「すごいことになってしまった」と思ってしまい、送り手の要求を飲んでしまいがちという効果が事実上あるでしょう。弁護士の名前での内容証明郵便ならなおさらです。
内容証明のデメリット
しかし、逆に言うと、受け手からすると、送り手による宣戦布告と受け取る可能性があります。特に、加害者的な立場の人が内容証明郵便を送る場合、火に油を注ぐことになりかねません。
ですから、穏便に解決したいような場合、あえて内容証明郵便を避けることもあります。
費用を考えて配達の事実のみを証明する配達証明郵便、特定記録で送付することもあります。
さらに、内容証明郵便は書留とセットであり、受取人が受取などのアクションをとらないと送付されません。ですから、内容証明郵便と普通・速達郵便を併用して郵送することもあります(あるいは、内容証明郵便では受け取らない場合に普通郵便等で送るなど)。
3 本人限定受取
例えば、不貞の慰謝料請求などで、加害者の住所がわからないため、加害者の勤務先に郵便物を送る場合があります。
そのような場合に、会社が郵便物を開封するとプライバシー上問題がありえます。
そこで、そのような場合に、本人限定受取を用いることがあります。
これは郵送物そのものではなく、郵便物の到着通知書を相手方に送り、相手方がそれをもとに郵便物を受け取るものです。
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