
立憲民主党の本多平直衆議院議員が、14歳と性交で逮捕は不当だと発言したことが問題視されています。
このような認識の国会議員がいることは非常に残念ですし、ただちに辞職すべきです。
そもそも若年者との同意性交はなぜ許されないのでしょうか?
この点、福岡県青少年保護育成条例違反事件についての最高裁昭和60年10月23日判決は以下のとおり述べています。
「一般に青少年が、その心身の未成熟や発育程度の不均衡から、精神的に未だ十分に安定していないため、性行為等によつて精神的な痛手を受け易く、また、その痛手からの回復が困難となりがちである等の事情にかんがみ、青少年の健全な育成を図るため、青少年を対象としてなされる性行為等のうち、その育成を阻害するおそれのあるものとして社会通念上非難を受けるべき性質のものを禁止することとしたものであることが明らかであつて、右のような本件各規定の趣旨及びその文理等に徴すると、本条例一〇条一項の規定にいう「淫行」とは、広く青少年に対する性行為一般をいうものと解すべきではなく、青少年を誘惑し、威迫し、欺罔し又は困惑させる等その心身の未成熟に乗じた不当な手段により行う性交又は性交類似行為のほか、青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱つているとしか認められないような性交又は性交類似制為をいうものと解するのが相当である。」
大人であっても、一見性行為に同意しているように見えても、実際には様々な慮りの中で同意を強いられて性行為をする事例は多くあります。
それが、経験豊富な50歳と直面した14歳であればどうでしょうか?
大人については、同意がなかったというだけで犯罪成立を認めてしまうと、犯罪成立範囲が不明確となるというおそれがあります。
しかし、定型的に同意を強いられる危険性が高い若年者について同意性交も含めて禁止するのは立法としては合理性が高いと思われます(しかも、最高裁判例が指摘しているように、真摯な交際については処罰範囲から除外されます)。
本多平直議員の発言は、上記のような立法の必要性を踏まえたものとは到底思われず、様々な配慮の中で同意を強いられる立場にある人々に対する思いやりが決定的に欠けていると思います。
様々な立場に対する思いやりや想像力のない人が立法に関与することは到底是認しがたいものです。
本多平直議員は即刻辞任すべきでしょう。
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