取り込み詐欺にどのように対応するか? 民事上刑事上の対応について解説しました

さいとうゆたか弁護士

執筆 新潟県弁護士会 弁護士齋藤裕(2019年度新潟県弁護士会会長、2023年度日弁連副会長)

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1 取り込み詐欺の法的責任

倒産間際に、あるいは倒産とは関係のない状況で、代金を支払う意思もなく、能力もないのに、物品を購入する取り込み詐欺の被害は多くみられます。

取り込み詐欺については、刑事責任と役員など関与者に対する賠償責任の両方での責任追及が考えられます。

以下、分けて解説します。

2 取り込み詐欺と刑事上の責任追及

刑法第二百四十六条1項は、「人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。」、2項は、「前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。」と規定しています。参照:刑法
支払能力や支払意思がないのに人から物品を購入したり、サービスの提供を受けたりした場合には詐欺罪に該当する可能性があるので、刑事告訴などを行うことが考えられます。
もっとも、支払能力や支払意思については、被害者側には容易にはわからない事情です。
破産などの法的手続きに至った場合については、裁判所で記録を閲覧して倒産の経過を追うことが重要となります。

3 取り込み詐欺と民事上の責任追及

取り込み詐欺の加害者自身については支払い能力がないことが多く、加害者に対して民事責任を追及しても徒労に終わる可能性が多いでしょう。

よって、取り込み詐欺をした会社の役員や従業員、取引先に対する民事上の責任の追及の可否が重要となります。

取引詐欺を行った会社の損害賠償責任を認めた裁判例

取引先については、東京高裁令和1年9月19日判決は、取り込み詐欺の加害者から商品を買い取っていた者について、取り扱い商品が取り込み詐欺によるものであることを認識していたか、少なくとも認識可能であったとした上で、以下のとおり、商品を買い取っていた者についての賠償責任を認めています。

「Bが取り込み詐欺を実行するようになった平成19年頃には既にBと取引関係にあり、平成20年頃にはBと直接に接触して取引に関するやりとりをするようになり、その後もAなど14社におよぶ本件仮装会社と取引を続けていたところ、A(B)との間で、平成25年4月12日から同年7月25日までの約100日間、合計45回にわたり、売買契約を締結し、控訴人らから納品された商品の約95パーセントを購入していたのであるから、Bが本件取り込み詐欺を継続して実行していくためには、被控訴人は不可欠な存在であったことが明らかである。Bは、控訴人らから本件取り込み詐欺により商品を騙取し、被控訴人はBから同商品を購入することで、Bと被控訴人は、客観的に共同して控訴人らの権利を侵害したというべきである。」

取り込み詐欺を行った会社の役員の賠償責任を認めた裁判例

役員については、東京地裁平成29年2月14日判決は、債務超過状態の会社による取引について、以下のとおり、代表取締役の賠償責任を認めています。

「被告Y1は,少なくとも,債務超過かつ支払停止状態にあるAがこのように急激に取引金額を増やせば,Aが早晩これに係る売買代金を支払うことができなくなるであろうことを容易に予見することができたものと認められる。被告Y1は,これを予見することができたことを前提として,Aの代表取締役としてAの取引を慎重に取引を行うべき義務を負っていたということができるところ,原告に対してAが債務超過かつ支払停止状態にあることを明らかにせず,原告との間の取引金額をいたずらに急増させ,その結果本件売買代金を支払うことができない状態に陥っている。以上のようなAと原告との間の取引の状況からすれば,これをいわゆる取り込み詐欺とまでは認めるに足りる証拠がないとしても,被告Y1には,Aの代表取締役として本件取引を行ったことについて重大な過失があるものと認められる。

このように、加害者以外に対する関係者に対する賠償請求が回収のかなめとなります。

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