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1 養育費と扶養控除
16歳以上の子どものいる夫婦が離婚をした場合、監護親も非監護親も、非監護親も養育費を払うのであれば、両者とも子どもにお金をかけることになります。
その場合、養育費を払う非監護親について、所得税上の扶養控除が認められるでしょうか?
この点、扶養親族がいる場合、扶養控除として税金が安くなります。
扶養親族とされるための要件は、
・配偶者以外の親族(6親等内の血族および3親等内の姻族をいいます。)または都道府県知事から養育を委託された児童(いわゆる里子)や市町村長から養護を委託された老人である
こと。
・納税者と生計を一にしていること。
・年間の合計所得金額が48万円以下(令和元年分以前は38万円以下)であること。
(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)
・青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないことまたは白色申告者の事業専従者でないこと。
です。
この中で特に問題となりうるのは、生計を一にしているかどうかです。
国税庁HPによると、「常に生活費、学資金、療養費等の送金が行われている場合には、これらの親族は生計を一にするものとして取り扱っているところです。」、「次のような場合には、扶養控除の対象として差し支えないものと考えられます。 扶養義務の履行として支払われる場合
子が成人に達するまでなど一定の年齢等に限って支払われる場合」としています。
よって、通常、養育費を払う親は扶養控除が認められることになります。
2 両親とも扶養控除を希望する場合どうするか?
しかし、扶養控除は両親のどちらかにしか認められません。
両方が扶養控除を希望する場合、どのように取り扱うべきでしょうか?
この点、国税不服審判所平成23年4月18日裁決は、「平成19年分及び平成20年分とも、元妻が、請求人より先に、本件勤務先に対し、長男を扶養親族とする旨の扶養控除等申告書を提出しているから、長男は元妻の扶養親族に該当する。したがって、請求人の平成19年分及び平成20年分の所得税の計算上、長男を扶養親族とする扶養控除の適用はない。」として、扶養控除等申告書を早く出した方について扶養控除が認められるとしています。参照:扶養控除についての裁決
やや違和感のある結論ではありますが、養育費を決める際には扶養控除についても誰が扶養控除をするか、取り決めた方が良い場合もあるということになるでしょう。
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