解雇と賃金、バックペイ

労災、解雇問題

1 解雇と賃金、バックペイ

解雇がされた場合、通常、使用者は労働者に賃金を払わないようになります。

しかし、その解雇が無効である場合、使用者が労働者による労務の提供を拒否しているものとして賃金が発生し続けます。

これをバックペイと言います。

2 バックペイされる範囲

給料のうち、基本給、諸手当、一時金等についてはバックペイの対象となるとされます。

他方、通勤手当のような実費弁償的色彩のあるもの、残業代については対象にならないとされています。

賃金が査定等によって算定される場合には、最低評価額等を基準に支払いをすべきとする裁判例と、査定がなされていないので査定により生ずる部分の支払いは命じられないとする裁判例とがあります。

ベースアップによる昇給分については、蓋然性の高い基準に従い認めるべきと考えられます。

3 中間収入控除

解雇された労働者が、生活のために別のところで就労していた場合、別のところで働いて得た賃金とバックペイの金額を調整することがあります。

これを中間収入控除と言います。

中間収入控除がされるのは、解雇されない場合には1ケ所からしか賃金を得られないのに、解雇されると2ケ所以上からもらえるようになるのは不当だからです。

この中間収入控除は、解雇された人が副業的な仕事に就いた場合には認められません。

解雇されなくても副業に就くことはありうるからです。

そして副業ではない仕事に就いて中間収入控除がされる場合、解雇期間の平均賃金の6割を超える部分を上限として控除がされることになります。

ですから中間利息控除がされても賃金の6割は最低限支払われることになります。

なお、不当労働行為として解雇がなされ、労働委員会でバックペイが命じられる場合、再就職の難易、就職先における労務の性質・内容及び賃金の多少、解雇が組合活動に及ぼした制約的効果等によっては、中間収入控除をしなくてもよいとされています。

ですから、不当労働行為による解雇事例では、訴訟でも勝てそうな場合であっても、不当労働行為救済申し立てをすることを検討すべきということになります(不当労働行為救済手続きでは、原職復帰を命じることもできるというメリットもあります)。

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