ダイビング中の事故が起こったとき、どのような場合に損害賠償請求できるか?

さいとうゆたか弁護士

執筆 新潟県弁護士会 弁護士齋藤裕(2019年度新潟県弁護士会会長、2023年度日弁連副会長)

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ダイビングは楽しいスポーツですが、他方死亡事故も多々発生しています。

ダイビング事故が発生したとき、どのような場合にショップ等に損害賠償義務が生ずるのか、見ていきます。

1 流氷ダイビング中の監視義務違反によりダイビング事故について損害賠償を命じた判決

札幌地裁平成21年10月16日判決は、流氷ダイビング中の事故について、企画・主催者側に義務違反、損害賠償責任を認めています。

判決は、

・インストラクターにおいて客の泳ぐ力に疑問を持っていたこと

・客のダイビング歴が1年に満たなかった上,流氷ダイビングを初めて経験していたこと

等から、インストラクターにおいて、客の動静を通常のダイビングツアー客に対するもの以上に注意深く監視する義務があったというべきなのに、それを怠ったとして、義務違反を認めました。

流氷ダイビングに限らず、ドリフトなど、危険なダイビングを行う場合には、同様に強度の監視義務が認められるべきでしょう。

2 ブランクダイバーによるファンダイビング中の動静監視義務違反により有罪判決が言い渡された判決

鹿児島地裁名瀬支部平成19年9月13日判決は、ファンダイビング中の動静監視義務違反により2名が溺死したという事案で、ダイビングサービスを提供する民宿の経営者に実刑の判決を言い渡しました。

同判決は、

・被害者がオープン・ウォーターの認定を受けていたに過ぎないこと,

・これまで約40ないし50本の経験本数であること,

・最近はダイビングもしていなかったこと,

・自己のダイビング器材も持っておらず,被告人からレンタルを受けた器材の装着も被告人に任せていたこと,

・1人の被害者については,オープン・ウォーターの認定を受けてから既に20年近くが経過していること,中性浮力(水中での体勢の維持)すら満足に確保できない状態であったこと,

・もう1人の被害者については,オープン・ウォーターの認定から3年程度しか経過していないものの,水中へのエントリーの方法も,船縁をつかんで足からそろそろと水の中に入るというものであったこと

などから、被害者が初級のダイバーであることは明白で、被告人としては、「絶えず被害者両名のそばにいてその動静を注視し,事故の発生を未然に防止する業務上の注意義務を負っていた」にもかかわらず、その義務を怠ったとして、有罪判決を言い渡しました。

これは刑事の判決ですが、初級者、ブランクダイバーについて常時監視義務があるというのは重要な指摘ですし、このような義務違反があれば民事上の損害賠償責任も認められるでしょう。

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