執筆 新潟県弁護士会 弁護士齋藤裕(2019年度新潟県弁護士会会長、2023年度日弁連副会長)
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2025年1月24日、弥彦総合文化会館での爆発事故について、個人情報の開示訴訟を新潟地裁に提訴しました。
以下、説明します。
1 弥彦総合文化会館爆発事件の概要
2024年6月29日、新潟県弥彦村文化会館において被災労働者がガス管切断作業に従事していたところ、ガス爆発が発生し、死亡しました。
同工事の発注者は弥彦村、被災労働者は工事の下請け会社の従業員でした。
被災労働者の遺族は、元請、下請に対して損害賠償請求をしていますが、事故原因が明らかではないとして支払いを拒否されています。
2 本件非開示決定
そのため、遺族は、事故原因を明らかにするため、新潟労働局に、令和6年11月21日付で、個人情報保護法に基づき、
1 令和6年6月29日に弥彦総合文化会館で発生した、爆発事故において労働災害に係る被災労働者に関して行った調査等に係る災害調査復命書及び関係書類一式
2 令和6年6月29日に弥彦総合文化会館で発生した、爆発事故において労働災害に係る被災労働者に関して行った調査等に係る労働者死傷病報告書
の開示請求を行いました。
しかし、「開示請求に係る保有個人情報が記載されていないため」という理由で、令和6年12月26日付で非開示決定がなされました。
令和7年1月6日に、私において新潟労働局総務部総務課に確認したところ、「開示請求に係る保有個人情報が記載されていないため」というのは、文書自体は存在するが、遺族が被災労働者本人ではないという理由で非開示としたという意味でした。
3 遺族からの開示請求が認められるべきこと
個人情報保護法76条1項は、何人も自己を本人とする保有個人情報の開示を請求できるとしています。
この点、大阪地裁令和元年6月5日判決は、遺族による労働局に対する調査復命書等の開示請求について、「本件各情報は,原告AがCから相続し,原告BがEから相続した,各原告の財産である,C及びEの被告に対する石綿による健康被害に係る各損害賠償請求権の発生要件が充足されているか否かを直接的に示す個人情報という性質を有するものであるといえる。したがって,本件各情報は原告らの「自己を本人とする個人情報」に当たるものというべきである。」としています。
本件においては、遺族は、元請、下請に対する損害賠償請求権があることを主張しており、これは遺族の財産です。
そして、開示請求した保有個人情報は、本件事故経過について記載していると考えられ、まさに損害賠償請求権の発生要件が充足されているか否かを直接に示すものです。
以上より、本件保有情報は、遺族を本人とする保有個人情報であり、開示されなくてはなりません。
そのため、今回提訴をしたものです。
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