鳥屋野潟南部開発には反対です 渋滞の激化と自然環境の悪化は許せません

鳥屋野潟南部開発対象地に生息するメダカ

この写真は、鳥屋野潟南部開発対象地域に住むメダカの写真です。

1 鳥屋野潟南部開発計画の概要

現在、鳥屋野潟南部開発計画が進行中です。

大和ハウス工業・加賀田組・大和ハウスリアルティマネジメント株式会社が、令和7年1月31日に新潟県知事に提出した特定施設新設届出書によると、

・敷地面積168,800㎡、施設の床面積55,043㎡

・鉄骨造9棟、駐車場2852台

・平均的な祝祭日の日当たり集客56,000人

・予定地の開発開始 令和7年8月

・建築物の新築等工事着手 令和9年4月

・施設の新設 令和10年4月

となっています。

上記の他、長潟第二地区については、市街化調整区域を市街化区域に変更した上で、宅地を開発するとされています。

2 鳥屋野潟南部開発による渋滞の悪化

鳥屋野潟南部の渋滞

鳥屋野潟南部開発が行われようとしている地域は、現在でも、時により、新潟駅南とつなぐ弁天線においてひどい渋滞が発生しています。

特に、土日には、イオンやムサシ等への買い物客で込みますし、ビッグスワンで試合がある日には、ほぼ自動車が動かなくなります。

鳥屋野潟南部の渋滞の計測結果

私は、2025年5月25日、以下のとおり、弁天線において渋滞調査を行いました。

方法は、新潟市中央区南長潟12-15先路上から新潟市中央区長潟854番1先路上までの600mを乗用車で走行し、時間を計測したというものです。

その結果は以下のとおりです。

 出発時間   走行時間

16:08  5分16秒

 16:17  6分07秒

 16:26  6分00秒

 16:41  10分31秒

 17:00  13分58秒

 17:18  12分14秒

 17:34  3分28秒 

 最大は17:00発の13分58秒です。

 これは時速2・57㎞に相当します。

 16:08の5分16秒は時速6・83㎞、17:18の12分14秒は時速2・94㎞です。

 公益財団法人日本道路交通情報センターは、一般道路では時速10㎞以下の場合を渋滞と定義しています。

 よって、弁天線においては、最低でも、16:08~17:18の1時間10分の間において、時速2・57㎞~の深刻な渋滞が発生しているということになります。

鳥屋野潟南部開発による渋滞の激化

そのような状態のところに、2852台の自動車を収容する施設を作った場合には、渋滞の激化が容易に想定されます。

また、そのような渋滞を根本的に緩和する方策は今のところ示されていません。

地域住民の生活の利便を害し、また、アイドリング中の排気ガスによる環境悪化をもたらす鳥屋野潟南部開発は許されません。

3 鳥屋野潟南部開発による自然環境の悪化

鳥屋野潟南部地域は、水田や用水路が広がり、希少なものも含め、固有の動植物が多く生息する地域です。

用水路では、ナマズ、キタノメダカ、ヌカエビ、マブナ、モロコ、ヨシノボリ、ドジョウなどの固有種がみられます。

シオカラトンボ、ハグロトンボ、イトトンボなどもヤゴの時には用水路や水田を住処にしています。

その他、キジなどの鳥類の住処でもあります。

特に、キタノメダカは、新潟市では準絶滅危惧種として指定されているところです。参照:メダカの順絶別危惧種指定

用水路を埋め立てた場合に、これらの生物の生存が危機に至ることは明らかです。

貴重なものを含む生物を危険にさらす鳥屋野潟南部開発には反対です。

新潟市民オンブズマンによるメダカについての新潟市への申し入れ(2025年7月10日)

なお、新潟市民オンブズマンは、2025年7月10日、以下のとおり、新潟市に、鳥屋野潟南部開発地域にメダカが生息していることから、調査や開発の中止などを申し入れているところです。

             申  入  書

                          2025年7月10日

新潟市環境政策課御中

                 新潟市民オンブズマン 代表 谷正比呂 

 新潟市民オンブズマンは、添付資料のとおり、酒泉満新潟大学名誉教授とともに鳥屋野潟南部開発予定地の調査を行い、その結果、準絶滅危惧種であるメダカの生息が確認されました。

 新潟県など北日本に生息するキタノメダカの学名はOryzias sakaizumiiとされていますが、これは酒泉名誉教授のキタノメダカ研究における顕著な業績を踏まえたものです。

そのキタノメダカ研究の世界的第一人者である酒泉名誉教授によるメダカ生息確認は極めて大きな意義を持つものです。

新潟市環境基本条例11条は、市は事業がなされる際に、事業者が環境の保全に適正に配慮するよう必要な措置を講ずるとしています。

キタノメダカは新潟市では準絶滅危惧種であり、その生息環境の保全の必要性が高いことは言うまでもありません。

ついては、まずは開発を一旦中止させ、予定地におけるメダカなど生物の調査を行ってください。

その上で、メダカ生息地の開発からの除外、あるいはビオトープなどメダカの生息に悪影響を与えない利用形態とさせるなど、ダイワハウスなどの事業者に申し入れをしてくださるよう申し入れます。

                                          以上

4 一緒に鳥屋野潟南部開発に反対しましょう!

上記の他、下(しも)地域など、中心市街地の空洞化を放置したまま、鳥屋野潟南部を開発することは、中心市街地のさらなる空洞化を招き、また、行政コストの増大も招きます。

鳥屋野潟南部開発の区画整理事業では6億9000万円の新潟市助成金を予定していますが、上記観

点からして大いなる無駄遣いと言わなくてはなりません。

生活環境と自然環境を破壊する鳥屋野潟南部開発は阻止しなければなりません。

新潟市民オンブズマンは2025年4月30日には新潟県、2025年6月5日には新潟市に反対の申し入れをしたところです。

ご賛同いただける方は、当さいとうゆたか法律事務所にご連絡ください。

新潟県や開発者への申し入れなど、一緒に鳥屋野潟南部開発阻止の運動に取り組んでいきましょう。

さいとうゆたか法律事務所トップはこちらです。

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