鉄道、電車、列車の事故と損害賠償(転覆、衝突、脱線等)

交通事故
執筆 新潟県弁護士会 弁護士齋藤裕(2019年度新潟県弁護士会会長、2023年度日弁連副会長)
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JR福知山線脱線事故から20年 鉄道事故における被害の甚大性

2005年4月25日にJR福知山線脱線事故が発生してから20年がたちます。
亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします。
同事故からもわかるように、鉄道事故では多数の死傷者が生ずる可能性があるため、鉄道会社、運転手その他関係者は厳重な義務を負い、その違反があれば損害賠償義務を負うことになります。
以下、鉄道事故における損害賠償責任について説明します。

鉄道事故における損害賠償と判断基準

鉄道事業法は、鉄道会社に安全管理規程を作成・届出することを義務付けています。参照:鉄道事業法
この安全管理規程やその他社内ルール等、鉄道事業法施行規則、鉄道に関する技術上の基準を定める省令、鉄道に関する技術基準等に違反した結果、事故が発生した場合には、鉄道会社の損害賠償責任が認められる可能性があります。
例えば、強風規制については、個々の路線、箇所毎に各鉄道会社が定めますが、それが不合理なものであったり、遵守されていない場合には損害賠償責任が認められる可能性があります。
その他、一般的に採用されているような安全対策をとらないために事故が発生した場合についても鉄道会社の損害賠償責任が認められる可能性があるでしょう。

信楽高原鐡道事故についての裁判例 単線区間における衝突事故

転覆、脱線等の鉄道事故の損害賠償責任についての裁判例は乏しいのですが、以下、列車同士の衝突事故に関する信楽高原鉄道事故についての裁判例を紹介します。
信楽高原鉄道の路線に入ったJR西日本の車両が、信楽高原鉄道の車両と衝突した事故について、大阪地裁平成11年3月29日判決は、JR西日本らの損害賠償責任を認めています。
JR西日本の損害賠償責任を認めた根拠は多岐にわたりますが、その1つに運転士による判断ミスの問題があります。
同判決は、運転士としては、行き違うべき列車が待機場所で待機していない状況を踏まえ、その行き違うべき列車が出発したはずの信楽駅に問い合わせるべきであったのに、問い合わせをせず、単線区間に進行させ、もって行き違うべき列車と衝突させたとして、過失を認めました。
同判決は、そのような過失を認める根拠として、運転士が、「多数の乗客を安全に輸送する使命を負う」ことを根拠としています。

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