弥彦村総合文化会館でのガス爆発事故で新潟地裁に損害賠償訴訟を提訴しました。

執筆 新潟県弁護士会 弁護士齋藤裕(2019年度新潟県弁護士会会長、2023年度日弁連副会長)
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弥彦村総合文化会館でのガス爆発事故で新潟地裁に損害賠償訴訟を提訴


2025年6月17日、新潟地裁に、弥彦村総合文化会館でのガス爆発事故について、遺族代理人として、新潟地裁に損害賠償訴訟を提訴しました。
被害者1名の遺族5名が原告となる訴訟で、7000万円超の損害賠償を請求しています。
被告は、工事の元請、直接雇用者です。

弥彦総合文化会館でのガス爆発事故の原因

弥彦総合文化会館での爆発事故では、1名が亡くなり、1名が負傷をしています。
その原因は、ガスが止められていないガス管を溶接した際に、火花によりガスが爆発したことにあると考えられます。
現場にガス管があることは、湯沸かし器の存在、一部図面にガス管が書かれていたことから明らかでした。
しかし、元請事業者において、図面をきちんとチェックするなどのことをせず、ガス管の存在を明確に認識せず、そのためにガスを止めるなどの措置をとらないまま、被害者の直接雇用者に現場の解体を命じたことで、ガスが通ったままのガス管を溶接するという事態となり、ガス爆発となったものです。
元請事業者において安全配慮義務を尽くしていないことは明らかです。
直接雇用者としても、その雇用する労働者の安全を確保するため、元請事業者に確認するなどして、ガスなど爆発物の存否を確認すべきであったと思われますが、そのような措置をとりませんでした。
そのために、2社に損害賠償請求の交渉をしましたが、支払いを受けることはできませんでした。
そのため、今回訴訟を提起したものです。
速やかに損害賠償責任を認める解決となること、建物解体作業におけるガス等危険物の徹底がなされることにつながることを祈念しています。
弥彦総合文化会館でのガス爆発事故については、
労働局に対する開示訴訟
弥彦村への申し入れ
の記事もご参照ください。

2025年9月3日 第1回弁論期日における遺族の意見陳述

2025年9月3日、新潟地裁で第1回弁論期日が開かれました。
被告1社は形式的な答弁で請求を争い、もう1社は自社が工事に深くかかわらなかった等としてやはり請求を争いました。
今後、当事者間において主張立証を行っていくことになります。
意見陳述の内容については以下のとおりです。
「私は、息子の最後の姿を見ていません。触れることもできませんでした。一目でも見ていればと、毎日後悔しています」
「小学1年生から野球をはじめ、社会人になるまで野球漬けの日々でした。そのお陰で、たくさんの人に出会い、仲間に助けてもらい、たくさんの御縁に恵まれていました。さみしがり屋で、家族が好きで、いくつになっても甘えん坊で、いつも賑やかで一緒にいる人を楽しませる気遣いのできる心優しい息子でした。お墓は、練習していた球場が見えて、仲間がいつも来てくれる場所に建て、いつでも野球ができるように野球のボールも特注でつけました」
「家族と協力して仏壇を買い、息子の墓を建てました。一周忌には納骨をしましたが、分骨して私たちのことを見守ってくっれるように私の手元に置き、毎日供養しています」
「私たち家族はこれからも一生かけて息子を供養していきます」
「息子の生きていた証として、被告2社から生の声を聴かせていただき、誠意を見せていただけるということを信じています」

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労災についての一般的な記事
労災と損害賠償についての記事
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当職が担当したANAクラウンプラザホテル新潟過労労災事件についての記事
新型コロナと労災についての記事
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