不動産取引を巡る調査義務・説明義務 不動産取引をめぐるお悩みはご相談ください

執筆 新潟県弁護士会 弁護士齋藤裕(2019年度新潟県弁護士会会長、2023年度日弁連副会長)
新潟県弁護士会の弁護士齋藤裕にご相談ください
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不動産を取引していて、買主にとって想定できない欠陥が不動産にあり、契約解除や損害賠償請求がなされることがあります。 以下、どのような場合に不動産取引を巡る調査義務・報告義務違反が認められるのか、みていきます。

1 道路計画のある土地について調査義務違反が問われた事例

東京地裁令和6年12月3日判決は、道路計画のある土地について、宅地建物取引業者において買主に説明をしなかったとして、買主から損害賠償請求がされた事案についての判決です。

判決の内容

同判決は、「宅建業者が行うべき調査の方法についてはその合理的な裁量によるところ、通常は、的確な資料を入手したり、担当職員への口頭確認や相談が可能である役所での調査を行うのであれば、それによって必要十分な情報を得られたであろうと考えるのは必ずしも不合理ではないのであって、それに加えて特に端緒がないのに、インターネット上で情報検索をしなければならないというまでの根拠は乏しい」としています。

判決の示すもの

このように、不動産業者には調査について裁量があるので、役所での情報収集をしていた場合には、その他の調査をしなくても義務違反はないとされる可能性があります。

2 反社・暴力団についての報告義務違反が問われた事例

東京地裁令和6年1月31日判決は、賃借人付マンション売買を仲介した宅建業者において、売主に捜査事項照会が来ていたことを買主に伝えなかったことを義務違反としました。

判決の内容

同判決は、以下のように述べています。 「本件捜査関係事項照会書の存在は、直ちに本件賃借人が反社会的勢力に該当することを疑わせる事情とまではいえないものの、本件賃借人が何らかの犯罪に関与するなど警察による捜査対象となったことを示す資料である以上、本件不動産購入を検討する原告としては、その資産価値や投資リスクの評価に際し、関心を持つべき内容であるといえる。そして、その存在は、買主であり、宅建業者でもある原告において、容易に知り得る情報とはいい難い。」 「そうすると、被告は、本件捜査関係事項照会書の存在及びこれに関するDの説明内容を、本件売買契約に先立ち、原告に対して報告する義務を負っていたものと認められる(媒介業務上の報告義務)。」

判決の示すもの

このように、不動産業者としては、自ら知っている取引重要な事項について買主に告知する義務を負うことになります。

3 新潟県で不動産取引をめぐるお悩みは弁護士齋藤裕にご相談ください

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