執筆 新潟県弁護士会 弁護士齋藤裕(2019年度新潟県弁護士会会長、2023年度日弁連副会長)
新潟県の弁護士齋藤裕に医療過誤はお任せ下さい。 異所性妊娠・子宮外妊娠は、子宮外で受精卵が育つことを言います。 主に卵管で異所性妊娠・子宮外妊娠が発生します。 子宮外では受精卵が成長し続けることはありません。 卵管破裂など重大な結果に結びつくことがあるので、早期発見し、薬物療法などを行う必要があります。 異所性妊娠を突き止めるためには、超音波検査やヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)を行うことになります。 参照:
子宮外妊娠について 異所性妊娠の発見は簡単ではありませんが、行うべき検査を行わず、発見が遅れ、重大な結果が生ずることもあります。 以下、異所性妊娠の医療過誤について解説します。
異所性妊娠の発見遅れについて注意義務違反を認めた裁判例
熊本地裁令和3年3月31日判決は、異所性妊娠の発見遅れで卵管破裂に至った事案について、医療機関側に損害賠償を命じています。
異所性妊娠の発見遅れと注意義務違反についての判断
同判決は、 ⅰ 妊娠6週0日であり,正常妊娠であれば原告の子宮内に高輝度エコーで囲まれ内部に円形の卵黄嚢がある胎嚢が認められるべき時期となっていたが,経膣超音波検査では,子宮内の胎嚢は未だ不鮮明であったから,医療機関は,同日の時点において,原告の子宮外妊娠を強く疑うことが十分可能であったⅱ 医療機関は,同日の時点で経膣超音波検査を行うだけでなく,hCG定量検査を開始すべき義務があり,それが実施されていれば子宮外妊娠を診断することが可能であったというべきであるが、hCG定量検査を開始することを怠った として注意義務違反を認定しています。
異所性妊娠の発見遅れの慰謝料額
なお、同判決は、 ⅰ 早期に適切な治療を受けることができず,子宮外妊娠に伴う多量の腹腔内出血により出血性ショック及び急性DICスコア4点の播種性血管内凝固症候群を発症したこと ⅱ 腹腔内出血等による痛みを医療機関に訴えた際にも適切な診断及び治療を受けられず(被告は同日原告を直接診察していない。),自分の身体にどのような異変が起きているのか分からないままに帰宅を余儀なくされ,自らの側で救急車を呼びB病院に緊急搬送されたこと ⅲ 卵管切除術まで長時間にわたって甚大な肉体的・精神的苦痛を被る状態に置かれたこと ⅳ 卵管切除術後同月10日まで病院での入院治療を要したこと から慰謝料200万円を認めています。 卵管切除が妊娠可能性に影響することを考えると、低すぎると考えます。
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