民泊営業差し止めを認めた裁判例

さいとうゆたか弁護士

インバウンド需要などもあり、民泊は急増しています。

今後、オリンピック需要にあわせ、民泊が一層増えることも見込まれます。

他方、民泊をめぐるトラブルも増えています。

東京地裁平成30年8月9日判決は、マンション管理組合からの、民泊営業差し止め請求を認めました。

今後増えると予想されるトラブルについての裁判例であり、参考価値が高いと思われるので、ご紹介します。

1 裁判例の内容

東京地裁平成30年8月9日判決は、以下のような判断を示しています。

「改正後の本件規約32条1項は,「区分所有者は,その専有部分を専ら住宅あるいは事務所として使用するものとし,他の用途(不特定の者を対象としてその専有部分を宿泊や滞在の用に供することを含む。)に供してはならない」と定め,37条の2第1項は,「区分所有者は,その専有部分を第三者に貸与する場合には,期間を1か月以上とし(いわゆるウィークリーマンション等の短期間の貸与をしてはならない。)」と定める。」
「被告は,平成28年5月以降,○○○号室において不特定の者を対象としてその占有部分を宿泊や滞在の用に供し,又は短期間の貸与をしていたと認められ,被告の行為は,本件規約32条1項及び新設された37条の2第1項に反するものであったといえる。」
「また,被告は,本件訴訟提起後も民泊行為を否認するのみで,○○○号室をどのように使用しているのかについて明らかにしようとしないことは当裁判所に顕著である上,上記1(9)のとおり,民泊行為を今後行わないと述べておきながら宿泊客を募集していたことに照らすと,被告は,今後とも,本件規約32条1項,37条の2第1項に反して,不特定多数の者に対し○○○号室を短期間の宿泊や滞在の用に供する可能性が高い。」
「以上によれば,被告は,本件規約32条,37条の2第1項に反して今後とも民泊行為をするおそれが高く,民泊行為を差し止める必要性が認められる。」
「そして,本件規約70条3項によれば,原告は,区分所有者が本件規約に違反したものとして,理事会の決議を経て,その差止め又は排除のための必要な措置(法的手続を含む)をとることができるとされているところ,上記1(5)のとおり,平成28年10月27日開催の理事会において,法的措置の検討をすることとされ,その後,平成29年5月1日の臨時総会で本件訴訟提起について総会決議を経ているのであるから,同条項に基づいて,被告に対し,民泊営業の差止め等を求めることができる。」

このように、判決は、専有部分を宿泊の用に供してはならないという文言が規約にあることを前提に、今後も民泊営業がなされる可能性が高いとして、民泊営業の差し止めを認めました。

2 マンション管理組合として求められること

観光地に近いなどの理由で民泊に利用されるおそれがあり、かつ、民泊に利用された場合に居住者への悪影響が大きいと見込まれるマンションにおいては、上記したような、民泊を禁止す

るとの規約を早急に設けることが必要となります。

また、差し止めなどを行う場合には、民泊をしていると思しき事例について日々記録に残しておく必要があります。

マンショントラブルでお悩みの方は、弁護士齋藤裕(新潟県弁護士会所属)にお気軽にご相談ください。

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