幼稚園児に対して心肺蘇生を速やかに行なわなかったことによる後遺障害について

執筆 新潟県弁護士会 弁護士齋藤裕(2019年度新潟県弁護士会会長、2023年度日弁連副会長)

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1 幼稚園児に対して心肺蘇生を速やかに行なわなかったことによる後遺障害について

保育士や幼稚園の教諭が速やかに適切な心肺蘇生措置を取らなかったことで賠償責任が認められる事例はあまりないようです。

東京地裁平成16年6月22日判決は、嘔吐物誤嚥を起こした幼児について保育士が気道内の異物を除去しないまま人工呼吸をしたという事案について、医学的には適切な方法とはいえないとしても幼稚園の教諭に気道内の異物を除去した上での人工呼吸を義務付けることはできないとして、損害賠償を認めませんでした。同事案では、保育士が園児を抱えその背中をさすったり叩くなどして洗面器一杯分程度の吐物を吐かせている、呼吸を行う直前にも園児を仰向けに寝かせ、あごを上向きにして,口を開いて中を調べるなどした上でマウス・トゥ・マウスによる人工呼吸を実施していることなどの事情があります。

横浜地裁川崎支部平成26年3月4日判決は、幼児が心肺停止後保育士が人工呼吸や心臓マッサージをしたものの、これを継続せず、自動車で1、2分の距離にある消防出張所に自動車で幼児を運んだという事案について、119番通報により救急隊員らが到着するまでの間継続的に心肺蘇生措置をとることが最善であった可能性は否定できないものの、救護義務違反があったとまではいえないとしました。

これらの事例は一応心肺蘇生措置をとったものの、完全なものではなかった事例と見ることができます。

幼稚園・保育園の職員は、救命の専門職ではないため、完全な救命措置をとることまで義務付けられていないものといえます。

日本医師会は幼児の救命措置について資料を作っていますが、完全にこのとおりにしなかったから責任が生ずるというわけではないでしょう。参照:幼児の救命措置についての資料

しかし、幼稚園教諭が全く心肺蘇生措置を取らなかったとすれば、損害賠償責任が認められる余地は大きいように思います。

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