新型コロナ法律相談 その7 ファクタリングにご用心!

さいとうゆたか弁護士

 1 新型コロナとファクタリング

新型コロナウイルスの蔓延は経済にも悪影響を与えています。
その結果、資金繰りに窮した事業者や個人が、ファクタリングを利用するケースが増えているようです。
ファクタリングとは、債権の買い取りのことを言います。
通常のファクタリングは、貸金とは異なり、貸金業規制法や利息制限法などの規制を受けません。
しかし、実際には、ファクタリングの名を借りた貸金業がなされているケースが多いのです。

2 金融庁の考え

金融庁は、その一環と言える賃金ファクタリングについて、以下のとおり、貸金業に該当するとしています。
「賃金債権の譲受人から労働者への金銭の交付だけでなく、賃金債権の譲受人による労働者からの資金の回収を含めた資金移転のシステムが構築されているということができ、当該スキームは、経済的に貸付け(金銭の交付と返還の約束が行われているもの。)と同様の機能を有しているものと考えられることから、貸金業法(昭和58年法律第32号)第2条第1項の『手形の割引、売渡担保その他これらの類する方法』に該当すると考えられる」
金融庁の判断はあくまで賃金ファクタリングについてのものですが、それ以外の債権に関するものであっても、譲渡人がファクタリング業者にお金を支払う義務が残るものについては、同様に貸金業に該当するとみてよいと思われます。
そして、貸金業に該当するとなると、貸金業としての登録が必要です。登録もないまま貸金業を営んだ場合、10年以下の懲役または3000万円以下の罰金、あるいはその両方を科せられる可能性があります。
また、以下の利息制限法の規定が適用されますので、法律に違反する高利については無効とされます。
「第一条 金銭を目的とする消費貸借における利息の契約は、その利息が次の各号に掲げる場合に応じ当該各号に定める利率により計算した金額を超えるときは、その超過部分について、無効とする。
一 元本の額が十万円未満の場合 年二割
二 元本の額が十万円以上百万円未満の場合 年一割八分
三 元本の額が百万円以上の場合 年一割五分」

異常な高利である場合については、利息制限法所定利息を超える部分のみならず、契約全体が違法とされ、返済義務自体が否定されることもありうるでしょう。
高利のファクタリングに手を出したら、どんどん泥沼にはまるばかりです。

3 裁判例

裁判例としては、東京地裁令和3年1月26日判決が、給与ファクタリング取引について実質的には金銭消費貸借契約であり、かつ、異常な高金利であるから、効力は認められないとしています。

同判決は、

・給与債権の譲受人であるファクタリング業者は、給与債権の回収を直接債務者の勤務先から行なうことが法律的に許されないため、必然的に給与債権の譲渡人である債務者を通じて給与の支払いを受ける仕組みであること

・債務者が期限までにファクタリング業者に返済(給与債権の買戻し)をしない場合、ファクタリング業者が債務者の勤務先に連絡(債権譲渡の通知)をすることになるが、債務者は勤務先に借金を知られたくないので、債務者としては期限までに返済(給与債権の買戻しをせざるを得ない)

等の事実関係があるため、当該ファクタリング取引は、経済的機能として、ファクタリング業者の労働者に対する給与債権の譲渡代金の交付と、労働者からの資金の回収が一体となった資金移転の仕組みが構築されたものととらえることができ、貸金業法上の貸付に該当するとしました。

4 借金のご相談は新潟の弁護士齋藤裕に

ひととき融資の問題点についての記事もご参照ください。
ファクタリングでお困りの方は、弁護士齋藤裕(新潟県弁護士会所属)にお気軽にご相談ください。

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